「たいそう暗いが、キヌさん、もう何時ごろかのう?」 「まあだ、三時にはなりゃあすまいね」 「やれやれ、この谷は一日がよその半分しかないよ。仕事も半分しか、でけやせん」 「その代り、夜がよその倍あるわ」 「倍あったって、電燈はつきゃせんし、油 …
| 著者 | 火野葦平 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日
あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約13時間49分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約23時間1分(300文字/分) |