“一枝”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひとえだ37.0%
いっし25.9%
いつし14.8%
ひとえ11.1%
かずえ7.4%
かずゑ3.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの、その上を、ただ一条ひとすじ、霞のような御裳おすそでも、たわわに揺れる一枝ひとえだの桂をたよりになさるあぶなさ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
土地では珍しいから、引越す時一枝ひとえだ折って来てさし芽にしたのが、次第にたけたかく生立おいたちはしたが、葉ばかり茂って、つぼみを持たない。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車夫くるまやが折ってくれた色濃い桔梗の一枝ひとえだを鶴子はにぎっておぶられて行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と我と我が心にじて、焚火のほとりにてほッと息をく折しもあれ、怪しや弦音げんおん高く一枝いっしの征矢は羽呻はうなりをなして、文治が顔のあたりをかすめて、向うの立木たちきに刺さりました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで、おれが、あわてて、これこれ岡野、松はういものつらいものというから、松を憎がるのはいいが、その松は世間並みの松と違って、公儀御堀の松だぜ、一枝いっしらば一指いっしを切るというようなことになるぜ
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わが立ちし後も、よなよなともづなをわが窓の下に繋ぎてししが、あるあした羊小屋の扉のあかぬにこころづきて、人々岸辺にゆきて見しに、波虚しき船を打ちて、残れるはかれ草の上なる一枝いっしの笛のみなりきと聞きつ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
うめ一枝いつしゑがきて其上そのうへそのの春をおわかまをすといふ意味の句あり、また曲亭馬琴きよくていばきんめいしつしてのち
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
微茫月色びばうげつしよく、花にえいじて、みつなる枝は月をとざしてほのくらく、なる一枝いつしは月にさし出でゝほの白く、風情ふぜい言ひつくがたし。
花月の夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
○世に渡唐とたうの天神といひて唐服たうふくに梅花一枝いつしを持玉ふを画く。
わか脈搏みやくうはな一枝ひとえ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
もとの一枝ひとえをまたの宿、
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
いにしへの 飛鳥をとめと しのばるる 尼のみ寺の みほとけや 幾世へにけむ 玉の手の 光りふふみて かそけくも 微笑ゑませたまへる にふれつ 朝な夕なに おもはすは きその嘆きか うつし世の 常なきうれひか 頬にふるる 指のあはひに 春ならば くれなゐの薔薇ばら 秋日には 白菊一枝ひとえ ささげなば 君がおもひぞ いやさやに かをりめでたく 深まりぬらむ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
男、女、男、女、女、女、女、女、女、男——の順である。しかし、四番目の一枝かずえを三つのとき、六番目の国子くにこを十四にもなってから、病気で失った。七番目は死産であった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「よう、一枝かずえぢやないか」
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
れから十年ばかつて、奥方の一枝かずゑさんが三番目の男の児を生んだ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)