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一枝
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いっし
ふりがな文庫
“
一枝
(
いっし
)” の例文
叡山
(
えいざん
)
から降りて来た一人の寺侍がある。
一枝
(
いっし
)
の梅に、
文書
(
てがみ
)
を
結
(
ゆ
)
いつけて、五条の西洞院へはどう行きますかと、京の往来の者に
訊
(
たず
)
ねていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日に
焦
(
こ
)
げたる
老翁
(
ろうおう
)
鍬を肩にし
一枝
(
いっし
)
の桃花を折りて
田畝
(
でんぽ
)
より帰り、老婆
浣衣
(
かんい
)
し終りて
柴門
(
さいもん
)
の
辺
(
あたり
)
に
佇
(
たたず
)
み
暗
(
あん
)
にこれを迎ふれば、
飢雀
(
きじゃく
)
その間を
窺
(
うかが
)
ひ井戸端の
乾飯
(
ほしいい
)
を
啄
(
ついば
)
む
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
と我と我が心に
愧
(
は
)
じて、焚火の
辺
(
ほとり
)
にてほッと息を
吐
(
つ
)
く折しもあれ、怪しや
弦音
(
げんおん
)
高く
一枝
(
いっし
)
の征矢は
羽呻
(
はうな
)
りをなして、文治が顔のあたりを
掠
(
かす
)
めて、向うの
立木
(
たちき
)
に刺さりました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
事の第一原因たる
吾
(
わ
)
が女主人の非行に触れること無く、又此
家
(
や
)
の老主人の威厳を冒すことも無く、巧みに
一枝
(
いっし
)
の笛を取返すことの必要を此家の主人に会得させ、其の力を
借
(
か
)
ることを乞いて
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一度び笑えば
百媚
(
ひゃくび
)
生ずといわれた美貌も、すっかりやつれ果て、長い黒髪をがっくり横たえて、頭を上げるのもやっとというその姿は、まさに、
梨花
(
りか
)
一枝
(
いっし
)
、
春雨
(
はるあめ
)
を
帯
(
お
)
ぶ、という風情であった。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
よなよな
纜
(
ともづな
)
をわが窓の下に繋ぎて
臥
(
ふ
)
ししが、ある
朝
(
あした
)
羊小屋の扉のあかぬにこころづきて、人々岸辺にゆきて見しに、波虚しき船を打ちて、残れるはかれ草の上なる
一枝
(
いっし
)
の笛のみなりきと聞きつ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
松はういもの
辛
(
つら
)
いものというから、松を憎がるのはいいが、その松は世間並みの松と違って、公儀御堀の松だぜ、
一枝
(
いっし
)
を
伐
(
き
)
らば
一指
(
いっし
)
を切るというようなことになるぜ、めっそう重い処刑に会うんだぜ
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
一枝
(
いっし
)
さんかい?」
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
よなよな
纜
(
ともづな
)
をわが窓のもとにつなぎて
臥
(
ふ
)
ししが、ある朝羊小屋の扉のあかぬにこころづきて、人々岸辺にゆきて見しに、波むなしき船を打ちて、残れるはかれ草の上なる
一枝
(
いっし
)
の笛のみなりきと聞きつ
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
“一枝”で始まる語句
一枝花
一枝毫末