“弦音”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つるおと94.1%
げんおん5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、ふいに、気持のいい弦音つるおととともに、ひゅッ、と矢羽根の空を切る音がし、庭の樹のこずえあたりで、すさまじい鳥の悲鳴が起こった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
とうなりながら、むね弦音つるおとを鳴らせ、口もきかずにうでばかりさすっているようすは、はたからみてもなんとも気のどくらしかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と我と我が心にじて、焚火のほとりにてほッと息をく折しもあれ、怪しや弦音げんおん高く一枝いっしの征矢は羽呻はうなりをなして、文治が顔のあたりをかすめて、向うの立木たちきに刺さりました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)