“弦之丞”の読み方と例文
読み方割合
げんのじょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弦之丞げんのじょうの態度が、いよいよすげなく、いよいよ冷静になりゆくほど、銀五郎の語調はまごころをまし、熱そのものとなってくる。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
禅定寺ぜんじょうじ峠の上から、弦之丞げんのじょうと西東に立ち別れ、一足先に江戸へ入った万吉は、まだ何かの都合で、お千絵ちえ様にも会ってはいないらしかった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうかと思うと、お綱はまた、お伽草子とぎぞうしの拾い読みに、はかない女の恋物語などを見出して、弦之丞げんのじょうのことに思いくらべ、思わず知らず一日を暮らしてしまうこともある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)