“ひとえだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一枝92.9%
一茎7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おお、ひどい」どこかの奥仕えらしい中年の女が、立ちすくんで、裳(もすそ)を押えた。落花を捲いてゆくつむじ風が、女の胸にかかえている一枝(ひとえだ)の牡丹(ぼたん)の葉を挘(むし)るように強く吹いた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
輝(かがや)かしい夏(なつ)の日(ひ)のことでありました。少年(しょうねん)が、外(そと)で遊(あそ)んでいますと、花(はな)で飾(かざ)られた、柩(ひつぎ)をのせた自動車(じどうしゃ)が、往来(おうらい)を走(はし)ってゆきました。そして、道(みち)の上(うえ)へ、一枝(ひとえだ)の白(しろ)い花(はな)を落(お)として去(さ)ったのです。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
紅蓮(こうれん)が一茎(ひとえだ)、白蓮華(びゃくれんげ)の咲いた枯田(かれた)のへりに、何の草か、幻の露の秋草の畦(あぜ)を前にして、崖の大巌(おおいわ)に抱かれたように、巌窟(いわむろ)に籠(こも)ったように、悄乎(しょんぼり)と一人、淡く彳(たたず)んだ婦(おんな)を見ました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)