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かずゑ
藁で
編んだ
莚の
敷いてある
爐邊で、
數衛のこしらへて
呉れた
味噌汁はお
茄子の
皮もむかずに
入れてありました。たゞそれが
輪切りにしてありました。
お
雛の
父親の
名は
數衛と
言つて
村でもきたないので
評判な
髮結ですとは、
前にもお
話して
置いたと
思ひます。
數衛の
家は
村の
中でもずつと
坂の
下の
方にありました。
父さんの
小學校友達に
扇屋の
金太郎さんといふ
子供がありましたが、その
金太郎さんの
家よりもまだずつと
下の
方でした。
其れから十年
許り
経つて、奥方の
一枝さんが三番目の男の児を生んだ。