“こだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コダ
語句割合
木立31.3%
22.9%
樹立16.7%
拘泥14.6%
小出4.2%
2.1%
戸建2.1%
2.1%
木垂2.1%
滹沱2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこここにはすぎ木立こだちの間を通して、恵那山麓えなさんろくの位置にある村の眺望ちょうぼうを賞するものがある。苔蒸こけむした墓と墓の間を歩き回るものがある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかしあんなに勝ち負けに対するこだわり方は他に理由がある、そしてその真の理由はわからないが、おれを凌ごうとしている点だけはたしかだ。
彩虹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
樹立こだちに薄暗い石段の、石よりもうずたか青苔あおごけの中に、あの蛍袋ほたるぶくろという、薄紫うすむらさき差俯向さしうつむいた桔梗ききょう科の花の早咲はやざきを見るにつけても、何となく湿しめっぽい気がして
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうして私の悪口わるくちを自分で肯定するようなこの挨拶あいさつが、それほど自然に、それほど雑作ぞうさなく、それほど拘泥こだわらずに、するすると私の咽喉のどすべり越したものだろうか。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真正しんしょう間違まちがいのねえおせんのつめべに糠袋ぬかぶくろから小出こだしにして、薬罐やかんなかてるんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
けくも不断骨を折ってるから、けくと二人で茶の間で一盃いっぱい飲めよと云うて、此のお肴をこだせえました、どうか此処こゝで旦那さまがいつも召上る御酒をえたゞきてえもんで
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
じめじめした小溝こみぞに沿うて根ぎわの腐れた黒板塀くろいたべいの立ってる小さな寺の境内けいだいを突っ切って裏に回ると、寺の貸し地面にぽっつり立った一戸建こだての小家が乳母うばの住む所だ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
俺あどこまでも好自由な独者で渡りてえんだから、それをこだわることだけは、どうか勘弁してくんねえ、お願いだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
たきぎる鎌倉山の木垂こだる木をまつとが言はば恋ひつつやあらむ (同・三四三三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
すなわち兵を率いて滹沱こだを渡り、旗幟きしを張り、火炬かきょを挙げ、おおいに軍容をさかんにして安と戦う。安の軍敗れ、安かえって真定に走る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)