“くだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クダ
語句割合
44.0%
18.9%
13.6%
9.5%
4.2%
3.8%
1.2%
0.7%
0.5%
0.5%
(他:34)3.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるうららかな春の日暮、彼は弓矢をたばさみながら、部落の後に拡がっている草山くさやまひとくだって来た。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
なにがつて、もうすこうちのことや子供こどものことをかんがへてくだすつたつていいとおもふわ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
かけはし合渡ごうどから先は木曾川も上流の勢いに変わって、山坂の多い道はだんだん谷底へとくだって行くばかりだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しいささかでもこれに暴行ぼうこうくわえようものなら、立所たちどころ神罰しんばつくだるであろう。
そのくせ、こいつらは、噴火でくだけて、まっくろなけむりと一緒に、空へのぼった時は、みんな気絶していたのです。
気のいい火山弾 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
地盤の響きに、満泓まんおうの波が底から動くのだから、表面が不規則に曲線を描くのみで、くだけた部分はどこにもない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その専門家に打ってもらった繰綿くりわたを、よく働く家では女たちが、篠巻しのまきというくだに巻いてヨリコを作った。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだ時間はあったから、二人は食堂へ行った。そこでオレンジ・エードを注文して、麦藁むぎわらくだでチュウチュウ吸った。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとたび陣形が崩れ出すと共に、畜生の浅ましさであろう、今までの擬勢が一時にくだけて、我勝ちに逃げ出しはじめました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
數分時の後、雙翼靜に水を蔽ひて、鳥は憩ふが如く見えしが、俄にはたゝく勢に、偏翼くだけ折るゝ聲、岸のほとりに聞えぬ。
といふ騷ぎ。兩國廣小路の人混みの中にうづを卷いた喧嘩の輪が、雪崩なだれを打つて柳橋の方へくだけて來たのでした。
くらくなりゆく水蒼みづあをく、早瀬はやせみだれておとも、千々ちゞくだけてなみ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その当時、わたしは十三、四歳であったが、一編の眼目とする牡丹燈籠の怪談のくだりを読んでも、さのみに怖いとも感じなかった。
寄席と芝居と (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それから三、四年の後に、「金色夜叉こんじきやしゃ」の塩原しおばら温泉のくだりが読売新聞紙上に掲げられた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「その手段として、すだれへだてて縁結びをし、配合くみあわせは月下氷人に任せるというくだりが御座いますが」
ただ著者が諸家の詩歌文章を説明するくだりを、そうですかそうですかと聞いているようなものでありました。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
杖は唸って、この老将を打ちつづけた。血はながれて白髯に染み、肉はやぶれて骨髄こつずいくだけたろうと思われた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで衆人みんなの心持は、せめて画でなりと志村を第一として、岡本の鼻柱をくだいてやれというつもりであった。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
くだすで、げつそり痩せてゐるから、嘘ぢやないでせう。妹のお袖が、枕元に附きつ切りで介抱だ」
十日とをかはらくださなかつたのは僥倖げうかうひたい——いまはひらけた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それかられ、確乎しつかりしろツちへばどうも下痢くだつちやちからけてやうねえ、うん/\なんてうなつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ら十五んち下痢くだつてなほつたがつよかつたかんな、いやつええともまつたく、なあにツちんで毎日まいんちさけぴんんだな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると金陵きんりょう(南京)まで下江くだる船が今夜おそく、湓浦江ほんぽこうの河口から出るという日の——まだ明るい頃だった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへ、近頃、遠く物見に下江くだって行った一艘が帰帆してきて、玄徳に告げることには、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一冊の雑誌を取ってみても、一枚の新聞の中にも、或は喫茶店でされる会話の中にも、ファッシズムの浸透とそれに抗して打ちくだこうとする大衆の意志は対立して盛り込まれている。
そして、そういいながら、自分を誘惑した男、戯談じょうだんのようにいい寄った夫の同僚の一人、手を握った会社の課長、酔って接吻をしようとした親族の男などを、くだけた鏡に写っている記憶のように、きらきらと、ひらめかせた。
ロボットとベッドの重量 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「小野派一刀流五点の二位、下段より仕掛け隙を見て肩へ来るを鍔元競り合い、体当りでくだき後は自由、絶妙剣と申しそうろう!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかも風さえ高く吹いて例の防波堤ぼうはていくだける波の音がすさまじく聞え出した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何事に罵り騒ぐぞ、と上人が下したまふ鶴の一声の御言葉に群雀のともがら鳴りをとゞめて、振り上げし拳をかくすにところなく、禅僧の問答に有りや有りやと云ひかけしまゝ一喝されて腰のくだけたる如き風情なるもあり、捲り縮めたる袖を体裁きまり悪げに下して狐鼠〻〻こそ/\と人の後に隠るゝもあり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何事に罵り騒ぐぞ、と上人が下したまうつるの一声のお言葉に群雀のともがら鳴りをとどめて、振り上げしこぶしかくすにところなく、禅僧の問答にありやありやと云いかけしまま一喝されて腰のくだけたるごとき風情なるもあり、まくり縮めたる袖を体裁きまり悪げに下してこそこそと人の後ろに隠るるもあり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこへ娘は前の日と同じ服装で、くだもの鉢と水差しを持って入って来た。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
くだもの屋の溝板どぶいたの上にはほうり出した砲丸ほうがんのように残り西瓜すいかが青黒く積まれ、飾窓かざりまどの中には出初めのなし葡萄ぶどうが得意の席を占めている。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いたゞきすべる雪雲を、 くだせし馬鈴薯とさげすみぬ。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
晴間見せはなくだしなほつづく
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
年が年中長屋の羽目板はめの繕いやら馬小屋箱溝はこどぶの数仕事、天道様が知恵というものをおれにはくださらないゆえ仕方がないとあきらめて諦めても、まずい奴らが宮を作り堂を受け負い
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
天道様が智慧といふものをおれにはくださらない故仕方が無いと諦めて諦めても、まづい奴等が宮を作り堂を受負ひ、見るものの眼から見れば建てさせた人が気の毒なほどのものを築造こしらへたを見るたびごとに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
顧み勝ちに篠田はひと下山くだり行く、伯母が赤心一語々々に我胸を貫きつ、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
小説家という者はつねに好い気な人間であって、時に屡々しばしばこれは面白いと勘違いをしてくだらない事を長々と書くあやまちを何時も繰り返していて、それにとっ掴まると、まんまとやり損うのである。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ぼくのが、一ばんだこだよ。」と、威張いばっているものもあれば、それにけまいとおもって、いとをどんどんくだしているものもありました。
西洋だこと六角だこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
りんどうの花はきざまれた天河石アマゾンストンと、くだかれた天河石アマゾンストンで組み上がり、そのはなめらかな硅孔雀石クリソコラでできていました。
ほんとに口駄くだらないよと云うのを何だと思えば、それあの燭台の前に居る、あゝあの服を着た方よ、好男子いいおとこが居ると高ちゃんが云うから行って見ると、眼鏡の金縁へあかりが映ってそれで顔が光るのよ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
現に稍々やや大なる石材せきざいくだきて漸次ざんじ目的もくてき形状けいじやうとせしあとみとむるを得るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
鉢形鍋形の土噐に外面のくすぶりたる物有る事は前にも云ひしが、貝塚發見はつけんの哺乳動物の長骨中ちやうこつちうには中間より二つにくだきたる物少からず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
酒間にいろいろくだけて話し合いました。
もとほり心角くだ吹けば、
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ほうくだらんわか
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
赤斑も出れば、痴呆面こけづらにもなる。手足の硬直こわばり譫言うわごと、……米磨汁とぎじるのようなものをくだし、胆汁を吐く。息はまだ通っているのに、脈はまるっきり触れない。……なにもかにも同じなんだ。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
徳久利でどうして舂くのかといったら、薬研では玄米こめくだけてしまうから、貧乏徳久利で舂くのだといった。
拘攣こうれんしたように変なところに力を籠めて空談くだを巻いている。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)