下痢くだ)” の例文
「それが、……赤斑あかふもあれば、死顔は痴呆こけのよう。下痢くだしたものは、米磨汁とぎじるのようで、嘔吐はいたものは茶色をしております。どう見たって、虎列剌に違いねえので……」
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「おい又八、何をひとりでぶつぶついってるんだ。……オヤ、ばかに青いつらして、げんなりしているじゃねえか。どうしたんだ、腐った西瓜でも喰らって、腹でも下痢くだしたのか」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
確乎しつかりしろツちへばどうも下痢くだつちやちからけてやうねえ、うん/\なんてうなつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みんなごろ/\してんでればかり藥箱くすりばこつて醫者いしや送迎おくりむけえしたな、隣近所となりきんじよ一軒毎えつけんごめらやくにやたねえだから、いや本當ほんたうだよ、ら十五んち下痢くだつてなほつたがつよかつたかんな、いやつええともまつた
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)