“くづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クヅ
語句割合
53.6%
21.2%
12.6%
6.6%
2.6%
2.0%
0.7%
遺屑0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四谷よつやとほりへ食料しよくれうさがしにて、煮染屋にしめやつけて、くづれたかはら壁泥かべどろうづたかいのをんで飛込とびこんだが、こゝろあての昆布こぶ佃煮つくだにかげもない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは二里ほどの山奥から海軍貯炭場へ石炭を運び出す車力の軌道であつた。道路には石炭くづがいつもこぼれ散らかつてゐた。
ある職工の手記 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
突然のやうに、眼の前の大きな邸宅が大砲か爆弾に破壊されて、煉瓦や鉄筋コンクリイトが、ばらばらにくづれて落ちて来た。
大凶の籤 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
ともすればくづれやうとする膝を掻き合はせては少しづつ身を進ませて、汗を拭いて、一生懸命になつて聽き入つて居る。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
根方ねかたところつちくづれて大鰻おほうなぎねたやうな幾筋いくすぢともなくあらはれた、そのから一すぢみづさつちて、うへながれるのが、つてすゝまうとするみち真中まんなか流出ながれだしてあたりは一めん
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あによめ判然はつきりしないから、風呂場へつて、みづで顔をいてると云つて立つた。下女がにほひのするくづちまきを、ふかさらに入れてつてた。代助はちまきの尾をぶらげて、しきりにいでた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私にまた先程のかろやかな昂奮が歸つて來た。私は手當り次第に積みあげ、また慌しくくづし、また慌しく築きあげた。あたらしく引き拔いてつけくはへたり、取り去つたりした。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
〔落つる物〕食物の遺屑くづ。これを集めて食するは、未だ聖徒と伍せざるさきに、あり餘る天上の福の一部を味ふなり(『コンヴィヴィオ』一、一・六七—七七參照)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)