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屑
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くづ
ふりがな文庫
“
屑
(
くづ
)” の例文
「へエ、それにしても、あの野郎は目を離せない野郎ですね。
算盤
(
そろばん
)
ずくで女の子を口説く野郎なんかは、男の
屑
(
くづ
)
みたいなもので」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは二里ほどの山奥から海軍貯炭場へ石炭を運び出す車力の軌道であつた。道路には石炭
屑
(
くづ
)
がいつもこぼれ散らかつてゐた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
○シブガラミはあみはじめの方を
踵
(
きびす
)
へあて、左右のわらを
足頭
(
あしくび
)
へからみて作るなり。里俗わら
屑
(
くづ
)
のやはらかなるをシビといふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして、筆は
遲遲
(
ちち
)
として進まず、意を
充
(
み
)
たすやうな作は出來上らずに、
徒
(
いたづら
)
にふえて行くのは
苛苛
(
いらいら
)
と引き裂き捨てる原稿紙の
屑
(
くづ
)
ばかりであつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『さうか、だけど
屹度
(
きつと
)
、
屑
(
くづ
)
が
同
(
おな
)
じ
位
(
ぐらゐ
)
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
違
(
ちが
)
ひない』
帽子屋
(
ばうしや
)
は
不平
(
ふへい
)
たら/″\で、『
麺麭
(
パン
)
庖丁
(
ナイフ
)
で
其中
(
そのなか
)
へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んだナ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
天秤商人
(
てんびんあきうど
)
の
持
(
も
)
つて
來
(
く
)
るのは
大抵
(
たいてい
)
屑
(
くづ
)
ばかりである。それでも
勘次
(
かんじ
)
は
廉
(
やす
)
いのを
悦
(
よろこ
)
んだ。
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
僅
(
わづか
)
な
錢
(
ぜに
)
を
幾度
(
いくたび
)
か
勘定
(
かんぢやう
)
して
渡
(
わた
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
要するに
廢
(
すた
)
れて放擲られた都會の生活の
糟
(
かす
)
と
殘骸
(
ざんがい
)
………雨と風とに
腐蝕
(
ふしよく
)
した
屑
(
くづ
)
と切ツぱしとが、
尚
(
なほ
)
しも
淋
(
さび
)
しい
小汚
(
こぎた
)
ない
影
(
かげ
)
となツて
散亂
(
ちらば
)
ツてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
見濟
(
みすま
)
し
大音
(
だいおん
)
揚
(
あげ
)
て
屑
(
くづ
)
はございませんか屑はございませんか/\と
無闇
(
むやみ
)
に
呼習
(
よびなら
)
つて居たりし處に近所の子供等是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ほそい
煙
(
けむり
)
こそ
立
(
た
)
ててゐるが
此
(
こ
)
のとしより は
正直
(
しやうじき
)
で、それに
何
(
なに
)
かを
决
(
けつ
)
して
無駄
(
むだ
)
にしません。それで、パン
屑
(
くづ
)
や
米粒
(
こめつぶ
)
がよく
雀
(
すゞめ
)
らへのおあいそにもなつたのでした。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
惣兵衛ちやんは矢を削つてしまふと、
前垂
(
まへだれ
)
から
緑
(
あを
)
い削り
屑
(
くづ
)
を、はらひ落しながら、ふと紙鳶に眼をとめた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
高
(
たか
)
い
屋根
(
やね
)
は、
森閑
(
しんかん
)
として
日中
(
ひなか
)
薄暗
(
うすぐら
)
い
中
(
なか
)
に、ほの/″\と
見
(
み
)
える
材木
(
ざいもく
)
から
又
(
また
)
ぱら/\と、ぱら/\と、
其處
(
そこ
)
ともなく、
鋸
(
のこぎり
)
の
屑
(
くづ
)
が
溢
(
こぼ
)
れて
落
(
お
)
ちるのを、
思
(
おも
)
はず
耳
(
みゝ
)
を
澄
(
す
)
まして
聞
(
き
)
いた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
といふのは、もとより、全國的代表移民の都會であるから、そのころの負けじ魂が、利かぬ氣のきつぷになつて殘つてゐるので、すべてが
鉋
(
かんな
)
ツ
屑
(
くづ
)
のやうなものばかりではない。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さちよなんか、もつとひどい。あの子は、もう世の中を、いちど失脚しちやつたのよ。
屑
(
くづ
)
よ。親孝行なんて、そんな立派なこと、とても、とても、できなくなつてしまつたの。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
「いゝえ、あとでこのけづり
屑
(
くづ
)
で酢をつくりますからな。」
かしはばやしの夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
玉
(
たま
)
の
屑
(
くづ
)
、
埴土
(
はに
)
のかたわれ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
さらさらと氷の
屑
(
くづ
)
が
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一
塊
(
くわい
)
のボロ
屑
(
くづ
)
のやうに欄干に
蹲
(
うづ
)
くまつて、最早息があらうとも覺えず、生命の最後の
痙攣
(
けいれん
)
が、僅かにその四
肢
(
し
)
に殘るだけです。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
○シブガラミはあみはじめの方を
踵
(
きびす
)
へあて、左右のわらを
足頭
(
あしくび
)
へからみて作るなり。里俗わら
屑
(
くづ
)
のやはらかなるをシビといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『えゝ、
知
(
し
)
つてゝよ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
小癪
(
こしやく
)
にも
答
(
こた
)
へて、『
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
に
尾
(
を
)
のやうなものがあるのは——それは
皆
(
みん
)
な
屑
(
くづ
)
ですッて』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
買に出けれ共元來越後浪人二百石取の新藤市之丞なれば
屑
(
くづ
)
はござい/\と
呼
(
よぶ
)
事能はず何所までも無言にて
緩々
(
ゆる/\
)
と
籠
(
かご
)
を
背負
(
せおひ
)
て
歩行事
(
あるくこと
)
ゆゑ
屑
(
くづ
)
は少しも買得ず只侍士を見ては我身の上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けれども、或る夜は
發作
(
ほつさ
)
に
喘
(
あへ
)
ぎ迫る胸を
抑
(
おさ
)
へながら、私は
口惜
(
くや
)
しさに涙ぐんだ。
或
(
あ
)
る日は書きつかへて机のまはりに
空
(
むな
)
しくたまつた原稿紙の
屑
(
くづ
)
を見詰めながら、深い疲れに
呆然
(
ばうぜん
)
となつてゐた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
玉
(
たま
)
の
屑
(
くづ
)
、
埴土
(
はに
)
のかたわれ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
三倍五倍の
利潤
(
まうけ
)
で、金持や物好きな人間に賣り付けるのだから、拔荷扱ひは商人の風上にも置けねえ、
屑
(
くづ
)
のやうな人間だ
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
屑
(
くづ
)
だなんて
云
(
い
)
つては
間違
(
まちがひ
)
だ』と
海龜
(
うみがめ
)
が
云
(
い
)
ひました、『
屑
(
くづ
)
は
皆
(
みん
)
な
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
で
洗
(
あら
)
ひ
流
(
なが
)
す。でも、
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
には
尾
(
を
)
のやうなものがある、
其
(
そ
)
の
理由
(
わけ
)
は——』
海龜
(
うみがめ
)
は
欠
(
あくび
)
をして、それから
目
(
め
)
を
瞑
(
つぶ
)
り
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
廻りけるに或時神田紺屋町の裏長屋を
回
(
まは
)
りしが
職人體
(
しよくにんてい
)
の者五六人にて酒を
飮
(
のみ
)
居
(
ゐ
)
る處へ例の通りていねいに口上を
云
(
い
)
ふ
屑
(
くづ
)
やで御座り升と云に職人は
酒機嫌
(
さけきげん
)
にて屑屋さん
下帶
(
なげし
)
を
買
(
かは
)
ねへか紙屑の
替
(
かは
)
りに
鐵釘
(
くぢら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「蝋燭の
屑
(
くづ
)
が五、六本、あとは
桐
(
きり
)
の薄板で拵へた、何んかの仕掛物と、——おや、おや? これはギヤマンの鏡の、
水銀
(
みづがね
)
の剥げたのぢやありませんか」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「安ばくちと押借りと、女たらしを
渡世
(
とせい
)
にして居る
屑
(
くづ
)
のやうな男ですが、そんな野郎に限つて男つ振りは好い」
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「左樣日本の品ではない、——丁寧に扱つても、
杉原紙
(
すぎはらがみ
)
か奉書といふところだが、
唐土
(
もろこし
)
渡來の唐紙を、
屑
(
くづ
)
でも何んでも惜し氣もなく使つてゐるのは不思議ぢや」
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手は四十五六の、型の如き
親仁
(
おやぢ
)
で、
二布
(
ふたの
)
一枚に、肩にヒヨイと手拭を掛けた、女房のお虎は、平次の顏を横目でチラリと見たつきり、せつせと、
屑
(
くづ
)
を選つて居ります。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「人間の
屑
(
くづ
)
だよ、——俺の立てた
筋
(
すぢ
)
は先づ間違ひはあるまいと思ふ。このお調べは面白いぜ、八」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前は近頃どうかして居るよ、少しは言葉も愼しむが宜い、太夫の位でも入山形に二つ星でも、女第一番の
屑
(
くづ
)
は遊女ぢやないか、大家の嫁御寮と一緒にする奴があるものか」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
清左衞門は古金買ひの金兵衞などを人間の
屑
(
くづ
)
のやうに思つて居る樣子です。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「車の上から拾つた、キラキラする
屑
(
くづ
)
だよ。これを何んだと思ふ、八」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
男つ振りの好い人間から見ると
醜男
(
ぶをとこ
)
の
屑
(
くづ
)
みたいに見えることでせう。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「面白かありません。あんなのは男の
屑
(
くづ
)
で」
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よく知つてゐるが、あれは人間の
屑
(
くづ
)
だ」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「男の
屑
(
くづ
)
見たいなもので」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“屑”の意味
《名詞》
(くず)こわれて、つかわなくなったもの。
(くず) なんの役にもたたないもの。
(くず) よいところをとったあとにのこったもの。
(出典:Wiktionary)
屑
漢検準1級
部首:⼫
10画
“屑”を含む語句
鋸屑
木屑
鉄屑
屑屋
藁屑
屑鉄
塵屑
削屑
紙屑買
屑買
火屑
紙屑問屋
紙屑
藻屑
鉋屑
屑籠
糸屑
星屑
紙屑屋
大鋸屑
...