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酒機嫌
読み方 | 割合 |
さけきげん | 50.0% |
さかきげん | 50.0% |
立出九郎兵衞は殊の外の
酒機嫌にて
踉々蹌々とし乍ら
下伊呂村の
外れへ
來掛りし頃は
早亥刻に近くて
宵闇なれば足元も
暗くお里は大いに
草臥しと河原の石に
腰を掛るに九郎兵衞惣内も同く石に
腰を
廻りけるに或時神田紺屋町の裏長屋を
回りしが
職人體の者五六人にて酒を
飮居る處へ例の通りていねいに口上を
云ふ
屑やで御座り升と云に職人は
酒機嫌にて屑屋さん
下帶を
買ねへか紙屑の
替りに
鐵釘を
も
連れ行かんと
誘引ければ千太郎は
恭しく兩手をつき
據ころなき用事も
有ば勝手が間敷は候得共今日は
御免有れと云ひければ大勢は
酒機嫌にて聞入ず殊に五兵衞の
吝嗇を
平生憎みける故
態と千太郎を