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酒樽
読み方 | 割合 |
さかだる | 92.9% |
さけだる | 2.4% |
しゆそん | 2.4% |
たる | 2.4% |
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肉襦袢の上に、
紫繻子に金糸でふち取りをした
猿股をはいた男が、鏡を抜いた
酒樽の前に立ちはだかって、妙に優しい声で
云った。
屋内
酒樽のあるあらば
極めて
妙なれども、若し之なくんば
草臥れ
損なりと、
遂に帰路を
取りて戸倉に
至るに
决す、一帯の
白砂過ぎ
了れば路は戸倉峠に
連なる、峠の
高さ凡そ六千呎、
路幅僅かに一尺
吾人如何に寂寥の児たりと
雖ども、
亦野翁
酒樽の歌に和して、愛国の赤子たるに躊躇する者に
無御座候。
きっぱりと
繍わせ、折鶴の紋のついた藤紫の
羽織、
雪駄をちゃらつかせて、供の男に、
手土産らしい
酒樽を持たせ、うつむき勝ちに歩むすがたは、
手嫋女にもめずらしい
﨟たけさを持っている。