“水銀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すいぎん22.2%
みづがね22.2%
すゐぎん22.2%
みずかね11.1%
みずがね11.1%
マーキュリー5.6%
メルクル5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしたちが柄杓ひしゃくこえを麦にかければ、水はどうしてそんなにまだ力も入れないうちに水銀すいぎんのように青く光り、たまになって麦の上に飛びだすのでしょう
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「蝋燭のくづが五、六本、あとはきりの薄板で拵へた、何んかの仕掛物と、——おや、おや? これはギヤマンの鏡の、水銀みづがねの剥げたのぢやありませんか」
勘次かんじたけもつ茶碗ちやわんみづを三まはしてそつとはなした。ランプのひかりたけみづから部分ぶぶんあをく、みづぼつした部分ぶぶん水銀すゐぎんのやうにしろひかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
水銀みずかねを商ふ旅人 五位殿だか何だか知らないが、あの人が急に弓矢を捨てて、出家してしまつたものだから、多度たどでは大変な騒ぎだつたよ。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そういううちも、丁目の三味線太鼓早間はやまに賑々しく地囃子が、水銀みずがねいろをした暮春の夕闇をかき乱すように聞こえてくる。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
しかし、古代の鏡は、青銅ヴィナスの薄膜の裏に水銀マーキュリーを塗って作られていたのですよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
でまず、最初の一つから、硝子粉グラス・シュタウブ浸剤インフュズム硫黄ズルフル単寧タンニン水銀メルクルオキゾス溶和剤レゾルフェンチア黄斑粉ディスティツェティン紅殻アイゼンメンニンゲ樹脂レギーナ——と読んでいって結局とどのつまりその頭文字を連ねるのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)