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見濟
見濟し
大音揚て
屑はございませんか屑はございませんか/\と
無闇に
呼習つて居たりし處に近所の子供等是を
立石夫婦も知り
折に
觸ては笑ひなどしけるを直助は面目なく
且は
遺恨に思ひ居たるに或夜立石夫婦は酒に
醉て前後も知らず
寢入しを
見濟し其の夜
丑滿の
物凄き折こそ能けれと直助は
寢息を
思ふにコロボックルは數人連合し互に
相助けて獸獵に從事し、
此所彼所より多くの矢を
射掛け、鹿なり猪なり勢
衰へて
充分に
走る事能はざるに至るを
見濟まし