“みす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミス
語句割合
御簾45.6%
見据11.3%
見透9.2%
見捨8.8%
8.4%
見棄7.5%
身過1.7%
見澄1.3%
御廉0.8%
看透0.8%
(他:11)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下女の案内で二人の通された部屋は、縁側えんがわを前に御簾みすのような簀垂すだれを軒に懸けた古めかしい座敷であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
源氏は御簾みすぎわに寄って催馬楽さいばら東屋あずまやを歌っていると、「押し開いて来ませ」という所を同音で添えた。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
兄分の男は「可哀そうだなあ。」と吐き出すように云って、順吉の顔を見据みすえながら「おやじのことを思うかい?」と訊いた。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
土肥君はあのねずみの様な眼を見据みすえて、やゝ不安なさびしそうな面地をして居たが、皆に説破されて到頭泊った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
武蔵は、やや焦心あせった。これで帰ることが無念だった。自分の底の底までを見透みすかされてしまった気がする。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アッ——と欄干をたてにして見透みすかすと、左の片腕を繃帯ほうたいして、白布で首に吊り下げている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天使てんしは、このにぎやかな都会とかい見捨みすてて、とおく、あてもなくゆくのをかなしくおもいました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大義たいぎため吾等われら見捨みすたまへ、吾等われら運命うんめいやすんじて
周囲は山ばかりだから、昼間だって人に見られる気づかいはなかったので、みすなどもすっかり巻き上げさせたぎりだった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
夜もけ行きて、何時いつしかみすを漏れて青月の光凄く、澄み渡る風に落葉ひゞきて、主が心問ひたげなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
しか二人ふたり見棄みすてゝくことが出來できないので、どうしていゝか判斷はんだんもつかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あちらでも御贔屓ごひいき御神輿おみこし見棄みすててくか、とかたおとして、ほろりとしつゝ見送みおくると
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼女と共に、安逸をたのしむ心になれば、すぐにでも出来そうな気がするのだ。また、百石や二百石の、身過みすぎのための食禄をさがす気になれば、それも何処にでもあると考える。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平常ひごろ、彼女が思っていた通り、やはり伏原半蔵は優し気のある人だった。年は四十を越え、無頼ぶらいな浪人仲間に身過みすぎはしているが、今の言葉でも、友誼ゆうぎに厚い事はわかる……。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これへ男の姿が消えたのを見澄みすました早耳三次、窓ぎわへぴったり身を寄せて、家内なかのようすに耳を立てた。
此處こゝまでこらへたのは、飯屋めしや飼猫かひねこだ、とおもつたからで。う、ぢいさまのとゞかないのを見澄みすまして、
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文楽座で御廉みすの垂れているのを見た記憶が眼に残っている。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
まだ見たこともないやんごとない夫人が、ほんのりと庭のあかりを射返す金襖きんぶすまの一と間にめて、御廉みすのかげから外のけはいを音もなくうかゞいながら、しずかに脇息きょうそくもたれているであろうその冷やかな美しい目鼻立ちをくうに描いた。
負け嫌いのはなはだしいは、人に自分の腹を看透みすかされたと思うと一端決心した事でも直ぐ撤去して少しも未練を残さなかった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
免職と聞くより早くガラリと変る人の心のさもしさは、道理もっともらしい愚痴のふた隠蔽かくそうとしても看透みすかされる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そういう和尚は半蔵のために、もうすこしでこの寺の本堂を焼かれようとした当面の人であるだけに、半蔵の不思議な行為をなぞとしてのみ看過みすごすことはできなかったと訴えるのであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
誠におはずかしき事に候えどもどうやらいたし候節はさびしさ悲しさのやる瀬なく早く早く早くおん目にかかりたく翼あらばおそばに飛んでも行きたく存じ参らせ候事も有之これあり夜ごと日ごとにお写真とおふねの写真を取りでてはながめ入り参らせ候 万国地理など学校にては何げなく看過みすごしにいたし候ものの近ごろは忘れし地図など今さらにとりいでて今日はおふねのこのあたりをや過ぎさせたまわん明日あす明後日あさってはと鉛筆にて地図の上をたどり居参らせ候 ああ男に生まれしならば水兵ともなりて始終おそば離れずおつき申さんをなどあらぬ事まで心に浮かびわれとわが身をしかり候ても日々物思いに沈み参らせ候 これまで何心なく目もとめ申さざりし新聞の天気予報など今いますあたりはこのほかと知りながら風など警戒のいで候節は実に実に気にかかり参らせ候 何とぞ何とぞお尊体からだおん大切に……(下文略)
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
昼のご飯を運んできた茶店の娘も残っていて手伝ったが、私の腹の底は視透みすかしているらしいのだが、口へ出しては言いださなかった。
父の出郷 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
また余りのしずかさに、自分の身体からだが消えてしまいはせぬか、という懸念がし出して、押瞑おしつぶった目を夢から覚めたように恍惚うっとりと、しかもつぶらに開けて、真直まっすぐな燈心を視透みすかした時であった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紀州西牟婁むろ郡上三栖みすの米作という人は、神に隠されて二昼夜してからかえってきたが、その間に神に連れられ空中を飛行し、諸処の山谷を経廻へめぐっていたと語った。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ただ僕が住所すみかは、天つ神の御子の天つ日繼知らしめさむ、富足とだる天の御巣みすの如一五、底つ石根に宮柱太しり、高天の原に氷木ひぎ高しりて治めたまはば、もも足らず一六八十坰手やそくまでに隱りてさもらはむ一七
拝殿の神簾みすのかげに、今二つの御灯みあかしがついた。榊葉さかきばのかげに光る鏡をかすめて、下げ髪水干すいかん巫女みこが廊下の上へ静かに姿を立たせた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思ふにコロボックルは數人連合し互にあひたすけて獸獵に從事し、此所彼所ここかしこより多くの矢を射掛ゐかけ、鹿なり猪なり勢おとろへて充分じうぶんはしる事能はざるに至るを見濟みすまし、各自棍棒石斧抔を手にして獸に近寄ちかより之を捕獲ほくわくせしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
此間こないだ、有楽座に行った時には、此座ここへお宮を連れて来たら、さぞ見素みすぼらしいであろう、と思ったが、此席ここでは何うであろうか、と、思いながら、便所に行った時、向側の階下したの処から、一寸お宮の方を見ると、色だけは人並より優れて白い。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
時平はそう云って、愕然がくぜんとしている老人の眼の中を視据みすえた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
兵法の場合でいえば——相手の器量を、剣と剣の先でじっと観澄みすましているような——阿呍あうんの息をこらしている時にも似ている。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)