“恍惚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうこつ50.0%
うっとり32.7%
うつとり7.2%
くわうこつ4.9%
うっと1.2%
ほれぼれ0.9%
エクスタシイ0.6%
みとれ0.3%
うッとり0.3%
しげしげ0.3%
とぼけ0.3%
とろ0.3%
ぼう0.3%
みと0.3%
エクスタシー0.3%
エクスターゼ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
童話の創作熱に魂の燃えた時に、はじめて、私の眼は、無窮に、澄んで青い空の色をに映して、恍惚たることを得るのであります。
『小さな草と太陽』序 (新字新仮名) / 小川未明(著)
事実黄金色の軽快なアルコオルが体内に流れ込んだのだから、隣の食卓の一組は食堂に来た時より一層若やぎ恍惚として来たらしい。
三鞭酒 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
鼻筋象牙彫のやうにつんとしたのがへば強過ぎる……かはりには恍惚と、物思仰向いた、細面引緊つて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われをして「骨董好き」と言ふ、誰かつて大笑せざらん。唯われは古玩を愛し、古玩のわれをして恍惚たらしむるを知る。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
優美なを作ったり、もし必要とあれば恍惚りとなったり、悲しげな眸をしたり、さては謎めいた眸を送ることなど、なんでも自由自在に出来た。
袋棚と障子との片隅手炉を囲みて、蜜柑きつつふ男の一個は、彼の横顔を恍惚に見入りたりしが、思堪へざらんやうにせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
次の瞬間、彼は愛情と恐怖とのへんな工合に混り合つた、世にもふしぎな恍惚を感じだしてゐた。
(旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
見物あれと無理にむる故毎度の然々るも氣の毒と思ひ或日夕暮より兩人同道にて二丁町へ到り其處此處と見物して行歩中常盤屋と書し暖簾の下りし格子の中におときといふ女の居りしが文藏不※恍惚みける佐五郎はやくも見付か文藏に私語其家へ上りしがにて文藏は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕方がないから、黙って話を聴いているに、又いつしか恍惚と腑が脱けたようになって、雪江さんのが右を向けば、私のも右を向く。雪江さんのが左を向けば、私のも左を向く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
奥様は残った花の香をいで御覧なすって、恍惚とした御様子をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
普通に邪視を以てみ詰めると、虫や鳥などが精神恍惚て逃ぐる能わず、蛇に近づき来り、もしくは蛇に自在に近づかれて、その口に入るをいうので、鰻が蛇に睥まれて、頭を蛇の方へ向け
くものは、ぢて恍惚とした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「これはね、こうするものだよ、見ておいで。」とえてウ、都の手振なよやかに、柳の腰つきしなやかなるを、女の児は傍目らず、首傾けて恍惚れいる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自動車の意志は、さながら余に乗りって、臆病者も一種の恍惚に入った。余は次第に大胆になった。自動車が余を載せて駈けるではなく、余自身が自動車を駆ってせて居るのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
このきらびやかな流転の姿に宇宙の秘義あり、恍惚が生じ、生成の浴霊……二年前の春であつた、私は何うにでも大きくさへ云へば事足りる原始哲学の大法螺の巌を砕いて、縷々と説き来つて
酒盗人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)