“靠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もた82.0%
11.3%
5.3%
もたれ0.8%
よりかか0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう入梅の気構えの空が鬱陶うっとうしく、車室の中がじっとりと生暖いので、幸子と雪子とはうしろにもたれかかったままとろとろとし始め
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
第三個は鼠色の大外套にくるまり、帽をまぶかに被りてついぢにりかゝりたるが、その身材みのたけはやゝ小く、へいを口にあてゝ酒飮み居たり。
そこで日当りの好い欄干らんかんに身をたせたり、頬杖ほおづえを突いて考えたり、またしばらくはじっと動かずにただ魂を自由に遊ばせておいてみたりした。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
硝子ガラス扉の方に近づいて、その一方の扉を半ば開け放ちながら、それにもたれれかかった。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
彦七不怺こらえずあまりつゆも深く候えば、あれまで負進おいまいらせ候わんとて、前にひざまずきたれば、女房すこしも不辞じせず便びんのう、いかにかと云いながら、やがてうしろにぞよりかかりける、南無妙。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)