“もた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モタ
語句割合
42.0%
32.3%
11.6%
9.9%
1.3%
0.7%
0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
持上0.2%
自重0.2%
携帯0.1%
0.1%
維持0.1%
茂太0.1%
0.1%
靠垂0.1%
靠着0.1%
食滯0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
哲郎は起って女と並んだ時、爪立つまだちをめた女の体がもったりともたれて来た。哲郎はその女の体を支えながらボール箱に手をやった。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
二階の大きな部屋に並んだ針箱が、どれも朱色の塗で、鳥のようにもたげたそれらの頭に針がぶつぶつ刺さっているのが気味悪かった。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
けれども決してそれが何の結果をももたらさなかつたのではありません。かう云ふ結果がありました。かういふことも。かういふことも
青々と葉を繁らせている山毛欅ぶなの大木の幹にもたれて蒼空を眺めながら、何考えるともなく取り留めもない物思いにふけっていたのです。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
麹町三丁目庄兵衞地借瀬戸物渡世忠兵衞同人妻とみ 其方共八ヶ年以前平川天神裏門うらもん前にて町醫師村井長庵こと雨中うちうかさもた立戻たちもどり候を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
冬でも着物のまま壁にもたれて坐睡ざすいするだけだと云った。侍者じしゃをしていた頃などは、老師の犢鼻褌ふんどしまで洗わせられたと云った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが、そろそろとその青かった月代が、胡麻ごま黒く伸びかかって来ると、やはりよくない。どうもよくない。極め付きのあの退屈が、にょきりにょきりと次第に鎌首をもたげ出して来たのです。
一日いちにち四方八方しほうはつぽうはしあるいたためひどつかれてかへつてて、わたくしひざもたれたまゝ二人ふたりそら景色けしきながめてころ櫻木大佐さくらぎたいさ武村兵曹たけむらへいそうほか一隊いつたい水兵すいへい今日けふしごとをはつて
我は今無言なり、膝を折りて柱にもたれ、歯をみ、眼をめいしつゝあり。知覚我を離れんとす、死のはりは我がうしろに来りてをりうかゞへり。「死」は近づけり、然れどもこの時の死は、生よりもたのしきなり。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
槭などの古木が茂っている右岸の崖を下りて、斜にのり出した木の枝にもたれながら、横さまに見上げる。それでも深くえぐれ込んだ岩壁の奥にあるので、瀑身は全部見られなかった。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それを振りちぎったらば、今日、もすこしましな作を残しているであろうが、父のことに対して、心に植えた自分自身との誓いは頭を持上もたげて、まず、人の為になにかする
其麽そんな自重もたせなくても可いぢやないですか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此処ここは妙なところで馬でも何でも腹が減ると、たちすくみになると云い伝え、毎日何百ぴきとも知れず、荷を付けて上り下りをする馬士まごまで、まさかの用心に握り飯を携帯もたぬ者は無いとの事だ
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
「それぢやおまへ、まあこのぜにしまつたらどうだね」と内儀かみさんがうながしたのであつた。衷心ちうしんからこまつたやうなかれむかつて内儀かみさんはもう追求つゐきうするちからもたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
今までだつて、私が遣繰やりくり一ツで維持もたせてゐたればこそ、居られたもの。そこへお前が帰つて来ては、三人口の明日の日を、どうして行かうといふところへ、お前は少しも気が注かぬかえ。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
その手は食わん、金箱というのは、茂太もたとやら茂太しげたとやらいう小倅こせがれのことではない、そのほかに確かに見届けたものがあるのじゃ。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
崩を聞いて諸王は京に入らんとし、燕王はまさ淮安わいあんに至らんとせるに当りて、斉泰せいたいは帝にもうし、人をしてちょくもたらして国にかえらしめぬ。燕王をはじめとして諸王は皆よろこばず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
煮え切れない雲が、頭の上へ靠垂もたかかっていたと思ったが、いつのまにか、くずして、四方しほうはただ雲の海かと怪しまれる中から、しとしとと春の雨が降り出した。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
前へ一歩ひとあしうしろ一歩ひとあし躊躇ためらいながら二階を降りて、ふいと縁を廻わッて見れば、部屋にとばかり思ッていたお勢が入口に柱に靠着もたれて、空を向上みあげて物思い顔……はッと思ッて、文三立ち止まッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
食滯もたるる底に、ししえゆく匂ひ、——
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)