“もち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モチ
語句割合
42.6%
15.7%
11.5%
9.4%
7.6%
冬青3.0%
2.1%
1.8%
1.2%
保存0.6%
(他:15)4.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おみちはすぐ台所だいどころの方へ立って行って手早くもち海藻かいそうとささげをぜんをこしらえて来て、
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
うくもちはさんで塵紙ちりがみうへせてせがれ幸之助かうのすけへ渡して自分も一つ取つて
塲面ばめん々々のかんじとあひ俟つて音響おんけう効果こうくわじつたくみもちゐられてゐるが
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
あら棒縞ぼうじま染拔そめぬきでそれはうまかざりの鉢卷はちまきもちひる布片きれであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
――つまり、この一軒家も、そこの旅籠屋のもちで、朝夕ちょうせきの食事も、向うの台所から運んで来ることになっている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其時のうごかしかたで、白眼しろめ一寸ちよつとちらついて、相手あいてに妙な心もちをさせる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
若し千古の佳什かじふを得んと欲すれば、かならずしもかの書画家の如く叩頭百拝こうとうひやくはいするをもちひず。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その薩摩が討幕の密勅を奉ずるに至りたるが如きは、これ西郷、大久保の意にして、三郎の意に非ざるやまた疑うをもちいず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
沈丁花、山椒、野木瓜むべもちそれに泉水ちかく老梅の古木が、蜿々として奇なる枝振りを、見事に撓り、屈らせてゐた。
異版 浅草灯籠 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
障子の硝子越ガラスごしに、もちの樹が見え、その樹の上の空に青白い雲がただよっているらしいことが光線の具合で感じられる。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
新しい僕の家の庭には冬青もちかや木斛もっこく、かくれみの、臘梅ろうばい、八つ手、五葉の松などが植わっていた。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かしかしは冬青もち木犀もくせいなどの老木の立ち込んだ中庭は狹いながらに非常に靜かであつた。
鳳来寺紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
普通種もち米 一四・三〇 八・五〇 三・二〇 七二・一〇 一・〇〇 〇・九〇
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もちの田はいまださ青し夜霧立ち香に立つ稻のその葉さやらふ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
落葉を踏んで小走りに急いでゐると、三つ四つ峰の尖りの集り聳えた空に、もちの夜近い大きな月の照りそめてゐるのを見た。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
夜に入つて小松ばかりの島山の峯づたひに船着場まで歸らうとすると、ちやうど晴れそめたもちの夜の月が頭上にあつた。
兵部卿の宮の若君の五十日になる日を数えていて、その式用の祝いのもちの用意を熱心にして、竹のかごひのきの籠などまでも自身で考案した。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
三日にあたる夜はもちを新夫婦に供するものであると女房たちが言うため、そうした祝いもすることかと総角の姫君は思い、自身の居間でそれを作らせているのであったが、勝手がよくわからなかった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ひどやすくなつちやつたな、さむつちや保存もちがえゝのにけえつやすいつちうんだからまる反對あべこべになつちやつたんだな」勘次かんじ青菜あをなをけならべつゝいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
近頃日本製にもその真似まねをして銀紙へ包んで立派なびんへ詰めたのがあるけれども一度煮たのを銀紙へ包むと見えて直きに腐敗してしまう。何でも料理は親切に拵えないと長く持ちません。親切に拵えたのと不親切に拵えたのとは保存もちが違うから争われないものだ」下女「全くそうでございますね。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「そりゃ勿論もち、今の人は別なの。けど、よくお當てになったわねえ!」とナーヂャは微笑んでぽっと頬を紅らめた。
勿論もちよ! 弟さんは、もう一ぺんあんたと相談した上でなくちゃ、正式の申込をするのはいやだと言うんですけど、とにかくああして婚礼をいそいでらっしゃるでしょう。ところがあなたといったら、まるでわざと意地わるをしているみたいに、あの厭らしい裁判所に入りびたりなんですもの。
また、無名氏の反歌、「不尽ふじに降り置ける雪は六月みなづき十五日もちに消ぬればその夜降りけり」(巻三・三二〇)も佳い歌だから、此処に置いて味っていい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
十五日もちぬればその夜降りけり
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ありとあらゆる有情含識うじやうがんしき皆朕が魔界に引き入れて朕が眷属となし果つべし、汝が述べたるところの如きは円顱の愚物が常套の談、醜し、醜し、もち帰り去れ、※※こそんいかりかす胡餅こべいの一片、朕を欺かんとや
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『琅邪代酔編』巻二に、後漢の時、季冬にろうに先だつ一日大いにおにやらいす、これを逐疫という、云々、方相氏は黄金の四目あり、熊皮をかぶり、玄裳朱衣してほこを執りたてを揚ぐ、十二獣は毛角をるあり、中黄門これを行う、冗縦僕財これをもちいて以て悪鬼を禁中に逐う、云々。
〔譯〕自らつとめてまざるは天道なり、君子のもちゐる所なり。
「さようにござりまする。私は来栖勘兵衛お頭の秘蔵の腹心、伊丹東十郎氏は、有賀又兵衛お頭の無二の腹心として、組中にありましても、重く使用もちいられましてござりまする」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
五郎 (脈を見てゐた手で美緒の頬を叩くやうな事をしながら、緊張しきつた顔で、わめく様な声を出す)美緒つ! 馬鹿野郎! 眠つちやいかん! 眠るなと言つたら! 反歌! いゝかつ! 十五もちくだち清き月夜つくよに吾妹子に、見せむとひし宿のたちばな
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
「男だけには、それぞれ所有もちを決めてあるという話ですけれどね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
見晴しのいいバルコニーなどがあって、三階の方の部屋は軟か物などを着ている女中の所管もちと決まっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ガラス 油絵でいえばカンヴァスに当るものです、描くべきこのガラスは、なるべく薄くて、凸凹でこぼこや泡のないものを選びたいのです、むかしのものは、ほとんど紙の如く薄いのをもちいています、なかなか味のあるものです。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
しかるにあるものが、その木に朽ちたる穴があるから、この穴の中になにか動物が住んでいるのではあるまいかと思い、もちを塗り置きしところ、案のごとく、やがてみみずく二羽捕らわれたという話が、『東北新聞』にて報じてあった。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
常磐木ときはぎにてその葉は黐木もちに似たり。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)