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望
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もち
ふりがな文庫
“
望
(
もち
)” の例文
落葉を踏んで小走りに急いでゐると、三つ四つ峰の尖りの集り聳えた空に、
望
(
もち
)
の夜近い大きな月の照りそめてゐるのを見た。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
すなわち
所謂
(
いわゆる
)
盆の月を以て全く新亡者の供養に
委
(
ゆだ
)
ねてしまわなかった時代には、この春秋二回の第一の
望
(
もち
)
の夜は、大体相似たる祭典が行われていたらしいのである。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
盾の形は
望
(
もち
)
の夜の月の如く丸い。
鋼
(
はがね
)
で
饅頭
(
まんじゅう
)
形の表を一面に張りつめてあるから、輝やける色さえも月に似ている。
縁
(
ふち
)
を
繞
(
めぐ
)
りて小指の先程の
鋲
(
びょう
)
が奇麗に五分程の間を置いて植えられてある。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家貧しければ身には
一五三
麻衣
(
あさごろも
)
に
青衿
(
あをえり
)
つけて、髪だも
梳
(
けづ
)
らず、
履
(
くつ
)
だも
穿
(
は
)
かずてあれど、
面
(
かほ
)
は
一五四
望
(
もち
)
の夜の月のごと、
笑
(
ゑ
)
めば花の
一五五
艶
(
にほ
)
ふが
如
(
ごと
)
、
綾錦
(
あやにしき
)
に
一五六
裹
(
つつ
)
める
一五七
京女﨟
(
みやこぢよらう
)
にも
勝
(
まさ
)
りたれとて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
望
(
もち
)
を過ごした月の光が、すぐの足もとまで射して来ていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
西へしも
隠
(
こも
)
れば無しと歎くかなその
二月
(
きさらぎ
)
の
望
(
もち
)
の夜の月
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
望
(
もち
)
の夜の月をまちがて
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
夜に入つて小松ばかりの島山の峯づたひに船着場まで歸らうとすると、ちやうど晴れそめた
望
(
もち
)
の夜の月が頭上にあつた。
樹木とその葉:08 若葉の頃と旅
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
これは単に人間の訪問客の案内だけでなく、正月
望
(
もち
)
の夕にまず訪い来るもの、すなわち
精霊
(
しょうりょう
)
と家々の神の道しるべであったこと、あたかも盆の
高燈籠
(
たかとうろう
)
と目的が一つであると思う。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
全体日本のような南北に細長い山がちの島で、
正朔
(
せいさく
)
を統一しようとすることが実は自然でなかった。わずかに月の
望
(
もち
)
の夜の
算
(
かぞ
)
えやすい方法をもって、昔の思い出を保つことができたのである。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“望”の意味
《名詞》
(ボウ)満月。
(出典:Wiktionary)
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“望”を含む語句
希望
願望
翹望
欲望
志望
眺望
失望
絶望
望遠鏡
遠望
羨望
懇望
所望
望月
渇望
大望
望楼
御所望
慾望
望蜀
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