“願望”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねがい31.4%
のぞみ20.0%
がんもう17.1%
ぐわんまう14.3%
ねがひ8.6%
がんぼう5.7%
ぐわんもう2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苦労性の気の弱い母もついに私の願望ねがいを容れて、下谷の清水町にわびしく住んでいる遠縁の伯母をたよりに上京することを許してくれた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
すわや願望のぞみのかなうともかなわざるとも定まる時ぞと魯鈍おろかの男も胸を騒がせ、導かるるまま随いて一室ひとまうちへずっと入る
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それだからどうぞ殿様に殉死を許して戴こうという願望がんもうは、何物の障礙しょうがいをもこうむらずにこの男の意志の全幅を領していたのである。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
無理な願望ぐわんまうに努力するのは努力の方向の惡いので、無理ならぬ願望に努力して、そして甲斐の無いのは、間接の努力が缺けて居るからだらう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
つまたゞ一人ひとりあにであれば、あたことならみづか見舞みまひもし、ひさしぶりに故山こざんつきをもながめたいとの願望ねがひ丁度ちやうど小兒せうにのこともあるので、しからばこの機會をりにといふので
だから、その名を付けるにも、これに願望がんぼうを祈りこむ。しかしまだ漠然ばくぜんたる希望であり、まずは普通人になれとの希望をあらわすに止まる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
だから、代助は今日迄、自分の脳裏に願望ぐわんもう嗜欲きよくが起るたびごとに、是等の願望ぐわんもう嗜欲きよくを遂行するのを自己の目的として存在してゐた。二個の相容れざる願望ぐわんもう嗜欲きよくが胸に闘ふ場合も同じ事であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)