“漠然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばくぜん93.5%
ぼんやり4.3%
ぼうつ0.7%
まくねん0.7%
バウ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文化ぶんくわ發達はつたつしてれば、自然しぜん何處どこ漠然ばくぜんとして稚氣ちきびてるやうな面白おもしろ化物思想ばけものしさうなどをれる餘地よちくなつてるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
第一かけた当人がわがさいであるという事さえさとらずにこちらからあなたという敬語を何遍か繰返したくらい漠然ぼんやりした電話であった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それにはべつ理由りいうなにも無い、究竟つまり学校が違つてしまつた所から、おたがひ今日こんにちあつて昨日さくじつ明日みやうにちも無い子供心こどもごゝろに、漠然ぼうつわすれてしまつたのです、すると、わたしが二きふつたとき
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かつ自然と云ふこと、万事にわたりて然らざることを得ず。(中略)又仏家ぶっか漠然まくねんに帰すると云ふことあり。くうに体する大乗のおしえなり。自然と云ふより一層あとなきことなり。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なにを考へてゐたかといふと、はなは漠然バウとしたことで、彼自身じしんにも具體的ぐたいてき説明せつめいすることは出來できない。難然けれども考へてゐることは眞面目まじめだ、すこ大袈裟おほげさツたら、彼の運命うんめい消長せうちやうくわんすることである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)