“ばくぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漠然94.2%
驀然4.4%
莫然0.7%
藐然0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし漠然ばくぜんながらではあるが、自分の前にいる少女とその心像の少女とは全く別な二個の存在であるような気もしないではなかった。
ルウベンスの偽画 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
相悪あいにく大降り、おまけに、横尾谷から驀然ばくぜん吹き上ぐる濃霧で、足懸あしがかりさえ見定めかね、暫時茫然として、雨霧のしずまるをてども、止みそうもない、時に四時三十分。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
猛虎の野にゆるや、其音おそる可し、然れども、其去れる跡には、莫然ばくぜん一物の存するなし、花は前の如くに笑ひ、鳥は前の如くに吟ず。
想断々(2) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
功名朝露の如し、頼むべからず、人生つひに奈何。藐然ばくぜんとして流俗の毀譽に關せず、優游自適其の好む所に從ふ、樂は即ち樂なりと雖も、蟪蛄草露に終るといづれぞや。
人生終に奈何 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)