“ぼうつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
懵乎66.7%
恍乎11.1%
漠然11.1%
矒乎11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
気が抜けた様に懵乎ぼうつとして編輯局に入ると、主筆と竹山と、モ一人の洋服を着た見知らぬ男が、暖炉を取囲とりまいて、竹山が何か調子よく話して居た。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
枕に就くと、今日位身體も心も急がしかつた事がない樣な氣がして、それでも何となく物足らぬ樣な、うら悲しい樣な、恍乎ぼうつとした疲心地つかれごゝちで、すぐうと/\と眠つて了た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それにはべつ理由りいうなにも無い、究竟つまり学校が違つてしまつた所から、おたがひ今日こんにちあつて昨日さくじつ明日みやうにちも無い子供心こどもごゝろに、漠然ぼうつわすれてしまつたのです、すると、わたしが二きふつたとき
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
疲れて矒乎ぼうつとして、淡い月光と柔かな靄に包まれて、底もなき甘い夜の靜寂の中にとろけさうになつた靜子の心をして、譯もなき咄嗟の同情を起さしめた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)