矒乎ぼうつ)” の例文
疲れて矒乎ぼうつとして、淡い月光と柔かな靄に包まれて、底もなき甘い夜の靜寂の中にとろけさうになつた靜子の心をして、譯もなき咄嗟の同情を起さしめた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)