“究竟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くっきょう63.9%
きゅうきょう9.8%
つまり6.6%
くきょう6.6%
きうきやう3.3%
くつきやう3.3%
はて3.3%
くきやう1.6%
しまい1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし人間の仕事は人情ということを離れて外に目的があるのではない、学問も事業も究竟くっきょうの目的は人情のためにするのである。
我が子の死 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
それから宗教の生活の究竟きゅうきょう、宗教生活というものの最後のゆきづまりの、これ以上ないという究竟のところはどういう世界であるか。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
究竟つまり名義だけあればよろしいので、私の方では十分貴方を信用してをるのですから、してその連帯者に掛らうなどとは思はんのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
究竟の涅槃 次に「究竟涅槃くきょうねはんす」ということですが、これを昔から、一般に「涅槃ねはん究竟くきょうす」とよませています。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
究竟きうきやうするに紅葉は実を写す特有の天才より移つて、佐太夫なる、或意味に於ての理想的伝記を画き出たるを以て、平常へいぜいの細微巧麗なる紅葉の作を読み慣れたる眼には
見て扨は渠等かれら色事いろごとならん究竟くつきやうの事なりと彼の開戸ひらきどの處へゆきそとよりほと/\たゝきけるに中にはおたけ庭に下立おりたち何かお忘れ物に候やと小聲こごゑひながら何心なく戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
晴衣はれぎ亘長ゆきたけを気にしてのお勢のじれこみがお政の肝癪かんしゃくと成て、廻りの髪結の来ようの遅いのがお鍋の落度となり、究竟はては万古の茶瓶きゅうすが生れも付かぬ欠口いぐちになるやら、架棚たな擂鉢すりばち独手ひとりで駈出かけだすやら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
生の究竟くきやうに滅あり、滅の究竟に生あり、又これを実際の心理に照して見ても、滅を背景に持つた生は、持たない生よりも力強く、生を背景に持つた滅は、決して滅ではないといふことが考へられる。
生滅の心理 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「お湯から買物に回ッて……そしてネ自家じぶんもモウ好加減に酔てる癖に、私が飲めないと云うとネ、けてるッてガブガブそれこそ牛飲ぎゅういんしたもんだから、究竟しまいにはグデングデンに酔てしまッて」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)