“つまり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
畢竟37.0%
結局32.1%
究竟4.9%
要之4.9%
必竟3.7%
所詮3.7%
到底2.5%
結極2.5%
妻有1.2%
無益1.2%
畢寛1.2%
窮迫1.2%
結句1.2%
結着1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、畢竟つまりは慾張りとなまけ者の熱心さで、氣狂ひ染みた雷同性らいどうせいに引摺られて、春の夜の薄寒さも、うゑつかれも物の數ではありません。
なまじお辰と婚姻を勧めなかったらかくも、我口わがくちから事仕出しいだした上はわが分別で結局つまりつけねば吉兵衛も男ならずと工夫したるはめでたき気象きしょうぞかし。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
猿か人間か到底とても判らぬ、究竟つまりは一種の山𤢖と云うものであると答えるより他は無かった。塚田巡査もの解釈にはくるしんだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
要之つまり、火を出した時は当人は活きていて然も動けなかったのです。活きて居て初めから動ければ直に逃げる訳でしょう。ア、砂糖問屋の者を呼込んで下さい
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
「怪物ぢや無い、人ですよ、人の大きいのです、必竟つまり、人が神様の小さいのと思やいですよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そりゃこそ頬邊ほっぺた放埓みだらめがのぼるわ、所詮つまりなにいてもすぐ眞赤まっかにならッしゃらうぢゃまで。はやうおてらへ。
示せしより今度音羽おとは町の浪人らうにん大藤武左衞門の娘お光が矢張やはり癲癇てんかんうれひありとて愚老ぐらうの方へ療治れうぢをば頼に來しゆゑ診察しんさつするに數年の病のかうぜしなれば我妙藥わがめうやくの力にても到底つまり全快覺束おぼつかなければ一時は之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
有る時や無い時が有って結極つまりが左程の事もないようだし、それに家にばかりいるとツイ妹や弟の世話が余計焼きたくなって思わず其方それに時間を取られるし……ですから矢張半日ずつ
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
これを暖国だんこくの人にみせなばいかにめづらしとかおもふらん。牧之ぼくし柏崎かしはざきより妻有つまりの庄へ山こえしたる時目前に見たる所也。
越後は妻有つまり上田の二しやうをながれて魚野川うをのかは急流きふりうをなし、魚沼郡うをぬまこほり藪上やぶかみの庄川口えきはづれににいたりて信濃をながるゝ川と合して、古志郡こしこほり蒲原かんばら郡の中央ちゆうあうをながれて海に入る。信濃の流はにごり越後は清し。
「それは無益つまりませんでしたね、折角おいでになって」と校長はおずおずしながら言った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「音さんの細君はもと正木先生のところに奉公していたんですッてネ。音さんが先生の家の畠を造りに行くうちに、畢寛つまり出来たんでしょう……先生があの二人を夫婦にしてやったんでしょうネ」
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「その縁の尽きないのが、究竟つまり彼我ふたりの身の窮迫つまりなのだ。おれもかう云ふ事に成らうとは思はなかつたが、成程、悪縁と云ふ者は為方しかたの無いものだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
結句つまりは親子三匹して、命をすつるに異ならねば、これ貞に似て貞にあらず、まことの犬死とはこの事なり。かくと心に思ひしかば、忍びがたき処を忍び、こらえがたきをようやく堪えて、見在みすみす雄を殺せしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
貸す時の地蔵顔に取り立てる時の閻魔面、一朱一分でも草加屋に廻してもらったが最後、働き人なら爪を擦り切らしても追いつかないし、商人あきんどは夜逃げかぶらんこがとどの結着つまり
強く云拔いひぬけやうとても然樣うまくはだまされず是が表向おもてむきになる時は文右衞門さんははなはだ御氣の毒だが御吟味中入牢じゆらうトヾのつまりは首がなし命あつての物種ものだねなればサア/\殘りの金子を渡されよどうだ/\と責付せめつけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)