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けつく
婦たちは
怨んだ。が、
結句此がために
勢づいて、
茣蓙縁臺を
引摺り/\、とにかく
黒塀について、
折曲つて、
我家々々の
向うまで
取つて
返す
事が
出來た。
形は
行つても
心は
決して
遣るまいと
極めて
置いたを、
今更に
成つて
何の
義理はり、
惡人でも、いたづらでも
構ひは
無い、お
氣に
入らずばお
捨てなされ、
捨てられゝば
結句本望
結局あれほど
厭やがるものを
氣の
毒なと
氣のつかぬでもなけれど、
如何かして
天晴れの淑女に
育てヽ
見たく、
自惚れの
言ひ
分と
笑ひ
給はんが
兎に
角今日まで
嫌やがられに
來しなり