結句けつく)” の例文
うちぢやお姉さんが早う死んだし、勝も長生きをせんやうに思はれるけれど、女子をなごは婆さんになるまで生きて居らん方が結句けつく仕合せなやうに思はれる。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
う智恵子が言つた。女児等こどもらは、何有なあに男に敗けはしないと口々に騒いだが、結句けつく智恵子の言葉に従つて鶴飼橋に来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
をんなたちはうらんだ。が、結句けつくこれがためにいきほひづいて、茣蓙ござ縁臺えんだい引摺ひきずり/\、とにかく黒塀くろべいについて、折曲をりまがつて、我家々々わがや/\むかうまでつてかへこと出來できた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かたちつてもこゝろけつしてるまいとめていたを、今更いまさらつてなん義理ぎりはり、惡人あくにんでも、いたづらでもかまひはい、おらずばおてなされ、てられゝば結句けつく本望ほんまう
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けすまじとなれもせぬ江戸の夜道は野山より結句けつくさびしく思はれて進まぬ足をふみしめ/\黒白あやめわかしんやみ辿たどりながらも思ふ樣まづしき中にも手風てかぜも當ず是迄そだてし娘お文を浮川竹に身をしづつらつとめを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、そんなことも皆一むかし以前であつたかの如く、義雄のあたまもからだも衰弱してゐた。そして渠が飽くだけのことを仕飽きた報いの無慾を、お鳥は札幌以來却つて結句けつく安心なことにしてゐた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
此方このはう結句けつく気楽きらくです。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところなきなれば結句けつくよき死塲處しにばしよ人目ひとめぢぬやうにりけり、にが/\しきことなれどもをんなこゝろだてるからねば檀家だんかもののみはとがめず、總領そうりやうはなといふを懷胎もうけころ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すくはんとの其孝心が天につうじ神やほとけ冥助めいじよにて賣代うりしろなしたるあかつきには如何なる貴人きじん有福いうふくの人に愛され請出され却つて結構けつこうの身ともなり結句けつく我手にそだちしより末の幸福しあはせ見る樣になるまじき者にも非ずよく覺悟かくご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すこ御新造ごしんぞ機嫌きげんかいなれど、目色めいろ顏色かほいろみこんで仕舞しまへばたいしたこともなく、結句けつくおだてにたちなれば、御前おまへ出樣でやう一つで半襟はんゑりはんがけ前垂まへだれひもにもことくまじ、御身代ごしんだい町内てうないだい一にて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此方こつちからして金まで付離縁りえんなしたる其なさけは結句けつく此身のあだとなり役人しうの詞にも所詮しよせん存命ぞんめいかなはぬと云れしなれば此覺悟かくごされど其方は此事の御とがめはよも有まい程に御所刑濟ば田畑でんばた居屋敷ゐやしき家作かさく家財かざいは其方へ下さるゝで有うゆゑ殘らず其を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)