“存命”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ながら45.5%
ぞんめい36.4%
いきなが9.1%
ながらへ9.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何分わたくし存命ながらえておりますと、他から夫の悪事が露見してもわたくしが申したとしか思われません、左様そうなりますとわたくしはどうも
さてこの人口論がもし真理であるならば、貧乏根治を志願の一としてこの世に存命ながらえおるこの物語の著者のごときは、書を焼き筆を折って志を当世に絶つのほかはないが、幸いにして私の見るところはマルサスとやや異なるところがある。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
存命ながらえて坊主になって老い朽ちた。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生きて甲斐なきわが身をば、かく存命ながらへて今日までも、君にかしずきまゐらせしは、妾がために雄の仇なる、かの烏円をその場を去らせず、討ちて給ひし黄金ぬしが、御情にほだされて、早晩いつかは君の御為おんために、この命をまいらせんと、思ふ心のあればのみ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
太郎坊の伝言ことづてをした時分のおれをよく知っているものだった。ところでこの太郎坊も今宵こよいを限りにこの世に無いものになってしまった。その娘はもう二十年も昔から、存命ながらえていることやら死んでしもうたことやらも知れぬものになってしまう、わずかに残っていたこの太郎坊も土に帰ってしまう。花やかで美しかった
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なかにも伊那丸は、おさなくして別れた父、なき人とばかり思っていた父——その父の存命ぞんめいを知っては、いても立ってもいられなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしおさな時分じぶんには祖父ぢぢ祖母ばばもまだ存命ぞんめいで、それはそれはにもれたいほどわたくし寵愛ちょうあいしてくれました。
其方儀松五郎たづねの所未だ行衞ゆくゑ相知れざる趣きうつせみ事千代存命ぞんめいも是れ有らば入牢の上屹度きつと被仰付之處當人たうにんうつせみ相果候上は一等をげんじられ江戸構えどかまへ申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ことわざにいうごとく、親が存命ぞんめいで孝行する機会のあるときに孝道の教訓を聞いても、なに分かりきったこと、百も承知と思いながらおこたるが、親無きあとで『孝経こうきょう』を読みかえすと、初めてその「経書けいしょ」の真意が明らかになる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
勝頼——と父の名をきいただけでも、はやそのひとみはうるみ、胸は恋しさにわななくものを、まだ存命ぞんめいときいては、そぞろ恩愛のじょうあらたにひたひたと胸をうって、歓喜かんき驚愕きょうがくと、またそれを、怪しみうたがう心の雲がりみだれる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このリヴラリスの一種のみ深山高地の急流底に生ずるから推すとこの一属は太古高山に創生して追々海へ繁殖したものでなく、昔海だった処が漸々隆起して陸となり山となったにれて当時磯に生えおったこの藻も鹹水住居を淡水に振り替えて渓流で存命いきながらえある一種となったか
存命ながらへなやみの夢の曲節めろぢあも見るによしなみ、
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)