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ながらへ
樂みに此世に
存命べきや
何卒妾しへも
自害仰付られ度と願はれければ越前守是を
存命し
悩の夢の
曲節も見るによしなみ
存命孝行の
嫁に苦勞をさせんよりは
寧死ぬるぞ
増ならん今宵の留守を幸ひに首を
縊て死なんものと
四邊を
探り廻りけるに
不※細帶の手に
障れば是幸ひと
手繰寄枕元なる柱の根へ
夜着布團を
我故に
何時迄か苦しめて世に
存命んよりはとて
密に首を
縊て死したりしに此姑に一人の娘ありて我が母を嫁の
締殺したるならんと思ひ時の
鎭臺へ訴へ出けるに鎭臺
不詮議にて孝行なる嫁を
二十
年生存るか
知れぬが、
朝夕、
世界無比の
海底戰鬪艇を
目前に
眺めつゝも、
終には、
此絶島の
鬼とならねばならぬのである。
電光艇の
活動の
原因となるべき十二
種の
藥液は、
何時までかゝつても、
此樣な
孤島では
製造の
出來るものでなく、また、
他から
供給を
仰ぐ
事も
恊はねば、
吾等は
爾後十
年生存るか