“ながら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナガラ
語句割合
25.9%
長良19.0%
長柄17.2%
生存8.6%
存命8.6%
6.9%
3.4%
長生3.4%
長羅1.7%
長等1.7%
1.7%
長抦1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それがために死にもならず、生きながらえてきましたが、しかし今になって考えるとあの時に自殺していた方がどんなによかったか知れません。
消えた霊媒女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
瑞龍寺を出て、権現山ごんげんやますそを北へ添って行くと岐阜城、その途中を左へ折れて、町中まちなかの道を真直ぐに進むと長良ながら川の岸へ出る。
蒲生鶴千代 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あとになつて思へば、その貴公子がすなはち執政の太子・中ノ大兄おいねであつた。そのころ都は難波の長柄ながらにあつた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
長八は渋江氏の江戸を去る時墓木ぼぼくきょうしていたが、久次郎は六十六歳のおきなになって生存ながらえていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その娘はもう二十年も昔から、存命ながらえていることやら死んでしもうたことやらも知れぬものになってしまう、わずかに残っていたこの太郎坊も土に帰ってしまう。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
医師の免状も取って、ぎょうも開き、年頃の娘を持つくらいの年になってから、重症にかかって、ながらく病床に呻吟しんぎんした。
取り交ぜて (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
それを待っていた飛行艇、旋回しながらその傍へ着水した。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
つれなしと見つる浮世に長生ながらへて、朝顏のゆふべを竣たぬ身に百年もゝとせ末懸すゑかけて、覺束おぼつかなき朝夕あさゆふを過すも胸に包める情の露のあればなり。戀かあらぬか、女子のいのちはそも何に喩ふべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
奴国なこくの宮では、長羅ながら卑弥呼ひみこを失って以来、一つの部屋に横たわったまま起きなかった。彼は彼女を探索に出かけた兵士つわものたちの帰りを待った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
偵察兵の帰りを待つ長羅ながらの顔は、興奮と熱意のために、再び以前のように男々おおしくたくましく輝き出した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
長等ながら山の山おろしに吹かれて立ちさわいでいる浪に身をのせて、志賀の浦のなぎさに泳いで行くと、徒歩かちで行く人が着物のすそを濡らすほどみぎわ近くを往来するのにおどろかされて
まづ四八長等ながらの山おろし、立ちゐる浪に身をのせて、四九志賀の大湾おほわだみぎはに遊べば、五〇かち人ののすそぬらすゆきかひにおどされて、五一比良ひらの高山影うつる、深き水底みなそこ五二かづくとすれど
「こんな面白くない世の中に生きながらえているよりは、いっそ死んでしまった方がましだ」
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
長抦ながらの橋や経が島に人柱の伝説があるのもみなこれだ。つまりは神に犠牲として人間を捧げるのである。この場合必ずしもその犠牲となるものは婦女とは限らない。
人身御供と人柱 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)