“なげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナゲ
語句割合
43.4%
15.3%
13.4%
8.4%
4.7%
3.4%
2.2%
2.2%
無気1.9%
1.3%
(他:12)3.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今ごろ備中総社びっちゅうそうじゃの町の人たちは裏山の茸狩きのこがりに、秋晴の日の短きをなげいているにちがいない。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いへうちをばひろ野原のはらかたなきなげきにひとそでをもしぼらせぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あずまはや」(ああ、わが女よ)とおなげきになりました。それ以来そのあたりの国々をあずまとぶようになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ゑんぜにえず財布さいふるならば彼等かれらなげところいのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
誠少き命毛いのちげなさけは薄き墨含ませて、文句を飾り色めかす腹のうちなげかわしと昔の人のいいたるが
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さてこそ虎松は、捜索上の不運をなげくよりも前に帯刀の辛辣しんらつなる言葉を耳にするのをいやがっていたのであった。
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「よき、つてろ、そら」と財布さいふから面倒めんだうに五りん銅貨どうくわひろしてなげてやる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
森はひょろひょろと蹌踉よろめきながら後ずさりし、膿盆のうぼんのような海は時々ねたまし気な視線をギラリとなげかける。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「これあ盛り場かららってんだ。別荘町だらなげえのが落ちてるッテッケンド、おら、行ったコタネエ」
老巡査 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「橋がかりはなげえやな、バッタリバッタリ呂律ろれつの廻らねえような足取りで歩くのは、江戸中捜したって、八五郎の外にはねえ」
——これで生涯の道がきまった。自分は晋太郎の養育になにもかもうち込もう、あらゆるものをなげうってこの子を生かすのだ。
菊屋敷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が、やがて手近の卓子テーブルの上へ、その雑誌をばたりとなげると、大事そうに上衣うわぎの隠しから、一枚の写真をとり出した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何處いづくりてか六三ろくさ天地てんちなげきて、ひめいのちゆゑばかり
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「もし魯粛ろしゅくが、例の問題を持出して、荊州のことを云い出したら、君には、声を放って、おなげきになられたがよいでしょう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奴はなげえこと己をこき使いやがったよ、畜生! 己ぁあの船室ケビンへ入りてえんだ、そうさ。奴らの漬物ピックルだの葡萄酒だの何だのがほしいんだ。
「ふん、こんなことはなげえこっちゃねえんだ。」と彼は罵り言葉と共に言うのだった。
齢の若いとは言ひながら、松子の何の不安も無気なげおとなしく自分の新しい境遇に処して行かうとする明い心は
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「旦那様、御心配なさいますな。私が船を取って参ります。向河岸まで行くのは、何んの仔細は御座いません」と事も無気なげに小虎が云った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
敷島しきしま日本やまとくにひと二人ふたりありとしはばなになげかむ 〔巻十三・三二四九〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一首の意は、若しもこの日本の国にあなたのような方がお二人おいでになると思うことが出来ますならば、どうしてこんなになげきましょう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
だからして虎は人を襲うに今度は誰を食うとちゃんと目算が立ちおり、その者現に家にありやと考えもし疑わしくば木枝を空中になげて、その向う処を見て占うという。
勝平は、冗談かそれとも真面目かは分らないが、人を馬鹿にしてゐるやうに、からかつてゐるやうに、勝彦を賞める瑠璃子の言葉を聞いてゐると、思はずカツとなつてしまつて、手に持つてゐる茶碗や箸を、彼女になげつけてやりたいやうな烈しい嫉妬と怒とを感じた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
帝これを見ておおいなげきたまい、今はとて火を大内たいだいに放たせたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸臣おおいなげきてようやくに去り、帝は鬼門に至らせたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「汝は彼を永く攻めなやまして去り往かしめ、彼の面容かおかたちを変らせていやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、卑賤いやしくなるもまたこれをさとらざるなり、ただ己みずからその心に痛苦いたみを覚え己みずからその心になげくのみ」という。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかもわれはこの経過をなげかず哀(かな)しまざるなり。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
やすらかにならしゃれたを、其樣そのやう取亂とりみだして悲嘆なげかしゃるは
庚午かのえうま、皇子大津を訳語田をさだいへ賜死みまからしむ。時に年廿四。妃皇女山辺みめひめみこやまべみくしくだ徒跣すあしにして、奔赴はしりゆきてともにしぬ。見るひと歔欷なげく。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
私一人眼をつぶつて居さへすればと、齒を食ひ縛つて居りましたが、昨夜といふ昨夜、宵のうちからのお染の仕打が、あまりと言へば人も無氣なげな増長で、さすがに私も我慢がなり兼ね、運座の席を早くきり上げて、お染と松五郎の逢引の現場を取つて押へ、父親にも見せて
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
諸王は国中になげきてけいに至るを得る無かれ、と云えるは、何ぞや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸王は国中になげきて、京師に至るなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
所がその内にどう云ふ拍子ひやうしか、彼のついた金羽根きんばねが、長押なげしのみぞに落ちこんでしまつた。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さうしてその上へ乗りながら、長押なげしの金羽根を取り出さうとした。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)