“はふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハフ
語句割合
28.5%
破風25.1%
15.7%
9.8%
9.8%
覇府4.7%
1.7%
1.7%
搏風0.9%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし決して「二二が四」から始まつてゐるとは限らないのである。僕は必ずしも科学的精神をはふつてしまへと云ふのではない。
その家は、オランダから持ってきた黄色い小さな煉瓦れんがで建てられ、格子窓こうしまどがあって、正面は破風はふ造りで、棟には風見がのっていた。
このあひだの時に牢屋へでもはふり込んでしまへばいゝものを、町内預けにして無事に歸してよこしたお奉行樣の氣が知れないねえ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
富岡は、興味もなく、その新聞を枕もとにはふり出して、大きなあくびをした。ゆき子は白いカーテンの、汚れた汚点しみをじいつと見てゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
こと青年輩せいねんはい身心しん/\發育はついく時代じだいにあるものには、いまよりこのはふ實行じつかうして體力たいりよく培養ばいやうし、將來しやうらい大成たいせいはかことじつ肝要かんえうならずや。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
鎌倉の都といひ得べきか否かに就きて、ある人、昔は國府を鄙の都といひし例もあれば鎌倉の如く江戸の如く覇府はふありし地は都といひてもよかるべし、といへり。
万葉集を読む (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
(今は久須婆といふ。)またその逃ぐる軍を遮りて斬りしかば、鵜のごと河に浮きき。かれその河に名づけて、鵜河といふ。またその軍士いくさびとを斬りはふりき。かれ、其地に名づけて波布理曾能はふりその一二といふ。
たわらはよこは朝かげの花ならず夕かげにはふりみ墓べの花
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
頭の上を押さえている屋根や搏風はふの下を遁れたり、925
勘次かんじにはからぬすむやうにては卯平うへいがおつたへ威勢ゐせいをつけてるやうにおもつた。かれいてつてさらわらくゝつた蕎麥そばたばをどさりととほくへはふつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つひには其處そこ恐怖おそれくははればぼうたゝいたり土塊つちくれはふつたり、また自分等じぶんら衣物きものをとつてぱさり/\とたゝいたりしてそのすことにつとめるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ここにき出して斬りはふりき。かれ其地そこを宇陀の血原といふ。然してその弟宇迦斯おとうかしが獻れる大饗おほみあへをば、悉にその御軍みいくさに賜ひき。この時、御歌よみしたまひしく
ここに速須佐の男の命、その御佩みはかし十拳とつかの劒を拔きて、その蛇を切りはふりたまひしかば、の河血にりて流れき。かれその中の尾を切りたまふ時に、御刀みはかしの刃けき。
おもわすれむしだくにはふくもつつしぬばせ 〔巻十四・三五一五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「南吹き雪解ゆきげはふりて、射水がはながる水泡みなわの」(巻十八・四一〇六)、「射水いみづがは雪解はふりて、行く水のいやましにのみ、たづがなくなごえのすげの」(同・四一一六)の例もあり、なお
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
貫一は唯胸も張裂けぬ可く覚えて、ことばでず、いだめたる宮が顔をばはふり下つる熱湯の涙に浸して、その冷たきくちびるむさぼひぬ。宮は男のつばき口移くちうつしからくものどうるほして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
マウパツサンの墓が見附からないので広い墓地を彷徨うろついて探して居ると、瑠璃紺るりこんの皺だらけのマントウをはふつた老人としよりの墓番が一人通つたので呼留よびとめて問うた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)