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ふりがな文庫
“
放
(
はふ
)” の例文
今
(
いま
)
裏
(
うら
)
へ
回
(
まは
)
つて
見
(
み
)
たら、
此
(
この
)
文庫
(
ぶんこ
)
が
落
(
お
)
ちてゐて、
中
(
なか
)
に
這入
(
はい
)
つてゐた
手紙
(
てがみ
)
なんぞが、
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
に
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
してあつた。
御負
(
おまけ
)
に
御馳走
(
ごちそう
)
迄
(
まで
)
置
(
お
)
いて
行
(
い
)
つた
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
富岡は、興味もなく、その新聞を枕もとに
放
(
はふ
)
り出して、大きなあくびをした。ゆき子は白いカーテンの、汚れた
汚点
(
しみ
)
をじいつと見てゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「親分、聞いて下さい。私は丸山の屋敷から
放
(
はふ
)
り出された上、何にも知らない若樣——私の腹を痛めた勇太郎樣まで——命を狙はれて居ます」
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藩札は
赭
(
あか
)
き紙ぎれ、皺に
寂
(
さ
)
び
黴
(
かび
)
くさき
札
(
さつ
)
、うち
廃
(
すた
)
り忘られし屑、うち束ね山と積めども、用も無し邪魔ふさげぞと、
放
(
はふ
)
られてあはれや朽ちぬ。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
脚下
(
あしもと
)
の
生物
(
いきもの
)
を
殺
(
ころ
)
すのを
恐
(
おそ
)
れて
其甕
(
そのかめ
)
を
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
さうとはせず、
其處
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
りがけに
蠅帳
(
はへちやう
)
の
一
(
ひと
)
つに
其
(
そ
)
れを
藏
(
しま
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
僕はあなたが罰の器のやうに滅びて行くのを
放
(
はふ
)
つてはゐられない。まだ時がある内に悔い改めて下さい——決心なさい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
つまり
根氣
(
こんき
)
くらべだね。
然
(
しか
)
し
如何
(
いか
)
なる
人物
(
じんぶつ
)
でも、
毎日々々
(
まいにち/\
)
葉書
(
はがき
)
で
攻
(
せ
)
め
立
(
た
)
てられちや
放
(
はふ
)
つて
置
(
お
)
けないものと
見
(
み
)
えるなア。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
隊長の姿が見えると兵士らは手にしてゐるシガレットを矢庭に
放
(
はふ
)
り
棄
(
す
)
てて整列する。その棄てられた巻煙草をモク屋達は待ちかまへて飛びついて拾ふ。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
今度は姉が心配し出して、色々に言ひ慰めて見たけれども甲斐がないので、仕舞ひにはするまゝに
放
(
はふ
)
つて置いた。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
「何んや
阿呆
(
あほ
)
らしい、蝋燭や。」とお駒は吐き出すやうに言つて、紙のまゝ其處に
放
(
はふ
)
り出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
但
(
たゞ
)
し
茲
(
こゝ
)
に
一
(
ひと
)
つの
研究
(
けんきゆう
)
の
手懸
(
てがか
)
りが
出來
(
でき
)
たといふのは、
地球
(
ちきゆう
)
の
表面
(
ひようめん
)
近
(
ちか
)
くから
放
(
はふ
)
つた
斥候
(
せつこう
)
が
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一人
(
ひとり
)
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
いた
處
(
ところ
)
で、
留守
(
るす
)
に
山
(
やま
)
から
猿
(
さる
)
が
來
(
き
)
て、
沸湯
(
にえゆ
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
はせる
憂慮
(
きづかひ
)
は
決
(
けつ
)
してないのに、
誰
(
たれ
)
かついて
居
(
を
)
らねばと
云
(
い
)
ふ
情
(
なさけ
)
から、
家中
(
うちぢう
)
野良
(
のら
)
へ
出
(
で
)
る
處
(
ところ
)
を、
嫁
(
よめ
)
を
一人
(
ひとり
)
あとへ
殘
(
のこ
)
して
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
折角
(
せつかく
)
、寺の復活を考へて
伴
(
つ
)
れて来たが、これでは駄目だ……。しかし、一人あゝして
放
(
はふ
)
つて置くといふことが間違つてゐるのである。何処の寺でも、今では女房子を持たないものはない。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
君かへらぬこの
家
(
や
)
ひと夜に寺とせよ紅梅どもは根こじて
放
(
はふ
)
れ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
君帰らぬこの家一夜に寺とせよ紅梅どもは根こじて
放
(
はふ
)
れ
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
佐伯
(
さへき
)
の
事
(
こと
)
をそれなり
放
(
はふ
)
つて
仕舞
(
しま
)
つた。
單
(
たん
)
なる
無心
(
むしん
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
過去
(
くわこ
)
に
對
(
たい
)
しても、
叔父
(
をぢ
)
に
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
せるものでないと、
宗助
(
そうすけ
)
は
考
(
かんが
)
へてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私たちの本を
天井
(
てんじやう
)
まで
放
(
はふ
)
り投げるやら、
定規
(
ぢやうぎ
)
とで、
煖爐圍
(
ストーブがこひ
)
と火爐具とで、大騷動を演じるやら大變でしたの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
だが、かうして、世の中に独りでごろりと
放
(
はふ
)
り出されてみると、富岡は自分の無力さを悟るのだつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
あれで
若
(
も
)
しいつまでゞも
放
(
はふ
)
つて
置
(
お
)
かれた
日
(
ひ
)
にや、
僕
(
ぼく
)
たる
者
(
もの
)
、
實
(
じつ
)
に
進退
(
しんたい
)
きはまる
所
(
ところ
)
だつたんだが。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
『その
理由
(
わけ
)
は』と
云
(
い
)
つてグリフォンは、『それは
何時
(
いつ
)
でも
蝦
(
えび
)
と一
緒
(
しよ
)
に
舞踏
(
ぶたう
)
をする。
其故
(
それゆゑ
)
皆
(
みん
)
な
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へ
放
(
はふ
)
り
込
(
こ
)
まれる。それで
長
(
なが
)
い
道程
(
みちのり
)
を
墜
(
お
)
ちて
行
(
ゆ
)
かなければなりませんでした。 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
鞘は自害をする前に縁側に
放
(
はふ
)
つた、これで、仕事は見事に出來上り、主人矢之助は下手人の疑を一應受けたわけだが、いろ/\の事から、俺は矢之助を下手人でないと思つた。
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『おゝ、
出来
(
でき
)
た。ぴち/\と
刎
(
は
)
ねる……いや、
恁
(
か
)
うあらうと
思
(
おも
)
ふた……
見事
(
みごと
)
なものぢや、
乾
(
かはか
)
して
置
(
お
)
くと
押死
(
おつち
)
ぬべい、それ、
勝手
(
かつて
)
に
泳
(
およ
)
げ!』とひよいと、
放
(
はふ
)
ると、
濠
(
ほり
)
の
水
(
みづ
)
へばちやりと
落
(
お
)
ちた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日は照るを将た安からし師と頼む市に引き出て早や
放
(
はふ
)
り売る
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何
(
なに
)
、
叔母
(
をば
)
さんの
方
(
はう
)
ぢや、
此方
(
こつち
)
で
何時迄
(
いつまで
)
も
貴方
(
あなた
)
の
事
(
こと
)
を
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
したまんま、
構
(
かま
)
はずに
置
(
お
)
くもんだから、それで
彼
(
あゝ
)
仰
(
おつし
)
やるのよ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それ見るがいゝ。お前の
配偶
(
つれあひ
)
は、その御家人喜六と、もう一人の年増に殺されたんだ。今夜は俺のところへまで毒酒を持込みやがつたよ。
放
(
はふ
)
つて置くと何をやり出すか解らない」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小學生ら聲
放
(
はふ
)
りあげて行きにけり椿の花がひたあかきなり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
小学生ら声
放
(
はふ
)
りあげて行きにけり椿の花がひたあかきなり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
錢形平次、さすがに
放
(
はふ
)
つても置けません。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
篁に酒を煮つつし将た安しとなりづからに柿
放
(
はふ
)
り賜ぶ
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
桟橋にどかりと
一本
(
いつぽん
)
大鮪
放
(
はふ
)
り出されてありたり
日暮
(
ひくれ
)
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
“放”を含む語句
放擲
放下
追放
放棄
放蕩
放縦
突放
解放
放心
放浪者
遣放
放火
開放
放肆
放免
奔放
放任
放埒
手放
出放題
...