“單”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
たん66.7%
ひと13.3%
たゞ6.7%
ひとへ6.7%
3.3%
たゝ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるときは、隣室りんしつてゐるKの夫人ふじんゆすおこされてましたが、彼女かのぢよにはそれがたんゆめとばかり、すことができなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
お光は立つて、小池の背後うしろからしわくちやになつたインバネスをがし、自分のひと羽織ばおり一所いつしよに黒塗りの衣桁いかうへ掛けた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
學士がくしまりかねてたうとする足許あしもとに、ふねよこざまに、ひたとついてた、爪先つまさきるほどのところにあつたのを、きりふか所爲せゐらなかつたのであらう、たゞそればかりでない。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こは初めひとへなりしも今二重ふたへとなりぬ、そは汝のことば、これとつらなる事のまことなるをこゝにもかしこにも定かに我に示せばなり 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
羅馬の貴人あてびとは我をうるほす雨露に似て、實は我をばくする繩索じようさくなりき。たのむところはだ一の技藝にして、若し意を決して、これによりて身を立てんとせば、成就の望なきにしもあらず。
しかし一ばんに氣にツたのは、まゆと眼で、眉はたゝ温順すなほにのんびりしてゐるといふだけのことであツたが
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)