たゞ)” の例文
新字:
學士がくしまりかねてたうとする足許あしもとに、ふねよこざまに、ひたとついてた、爪先つまさきるほどのところにあつたのを、きりふか所爲せゐらなかつたのであらう、たゞそればかりでない。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小屋こやうちにはたゞこればかりでなく、兩傍りやうわきうづたか偉大ゐだい材木ざいもくんであるが、かさ與吉よきちたけよりたかいので、わづか鋸屑おがくづ降積ふりつもつたうへに、ちひさな身體からだひとれるよりほか餘地よちはない。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)