“中單”の読み方と例文
読み方割合
チヨキ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玉ちやんの汁かけ飯を食べてゐるのには構はずに、奧さんは先づ溜息を一つ苦しげにいて、中單チヨキ着掛きかゝつてゐる博士にかう云つた。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
くものは唯だ一馬なるが、その足は驅歩かけあしなり。一軒の角屋敷の前には、焚火して、泅袴およぎばかま扣鈕ボタン一つ掛けし中單チヨキ着たる男二人、むかひ居て骨牌かるたを弄べり。
博士は中單チヨキボタンを嵌め掛けた手をとゞめて、聞耳きゝみゝを立てた。この「どこか徃つてよ」には、博士は懲りてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)