“聞耳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ききみみ70.0%
きゝみゝ30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いったい何を落したのか、それも言わないで夜中に変な人だと聞耳ききみみをすますと、もう小路を曲って行ったのか、足音もしなくなっていた。
(新字新仮名) / 室生犀星(著)
今這入った女の動静をそっと塀の外からうかがうというよりも、むしろ須永とこの女がどんなあやに二人の浪漫ロマンを織っているのだろうと想像するつもりであったが、やはり聞耳ききみみは立てていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
博士は中單チヨキボタンを嵌め掛けた手をとゞめて、聞耳きゝみゝを立てた。この「どこか徃つてよ」には、博士は懲りてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
梯子段にも廊下にも、宿の女中や娘や料理人が、昂奮した樣子で、しかも面白さうに聞耳きゝみゝを立てゝ居た。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)