“聞分”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゝわけ35.3%
きゝわ29.4%
ききわけ17.6%
ききわ5.9%
ききわく5.9%
きくわ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言つてはまとひついた。殊に年少したの方の文ちやんと来たら、聞分きゝわけの無い年頃で、一度愚図々々言出さうものなら容易に泣止まない。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
至高處いとたかきところには榮光神にあれ。衆皆斯くいひゐたり、かくいひゐたるを我は身に近くしてその叫びの聞分きゝわけうべき魂によりてさとれるなりき 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いや聞分ききわけないというものだと、親子顔を赤めて角芽立つのめだそばで、母がおろおろするという騒ぎ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
聞分ききわけもなく織次がそのたもとにぶら下った。ながしは高い。走りもとの破れた芥箱ごみばこ上下うえしたを、ちょろちょろと鼠が走って、豆洋燈まめランプ蜘蛛くもの巣の中にぼうとある……
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おあとから行まする、恋しき君、さることばをば次第なく並べて、身は此処ここに心はもぬけのからに成りたれば、人の言へるは聞分ききわくるよしも無く、楽しげに笑ふは無心の昔しを夢みてなるべく
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むにめたきいた引裾ひきすそながくゑんがはにでゝ、用心口ようじんぐちよりかほさしいだし、たまよ、たまよ、と二タこゑばかりんで、こひくるひてあくがるゝ主人しゆじんこゑ聞分きくわけぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)