“きくわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
奇禍33.3%
奇火16.7%
奇花16.7%
奇貨16.7%
聞分16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「私に一人の伯母があるのです、世をいとうて秩父の山奥に孤独ひとりして居ります、今年既に七十を越して、钁鑠くわくしやくとしては居りますが、一朝私の奇禍きくわを伝へ聞ませうならば——」語断えて涙滴々てき/\
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此火寛文年中はじめいでしと旧記きうきに見えたれば、三百余年の今においてたゆる事なきは奇中きちゆうの奇也。天奇てんきいだす事一ならず、おなじ国の魚沼郡うおぬまこほりに又一ツの奇火きくわいだせり。
此れ便すなはち先考来青らいせい山人往年滬上こじやうより携へ帰られし江南の一奇花きくわ、わが初夏の清風に乗じて盛に甘味かんみを帯びたる香気を放てるなり。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この大將たいしやう若樣わかさまなんなくさとしとりこになりけり、令孃ひめとのなかむつましきをるより、奇貨きくわおくべしと竹馬たけうま製造せいざうはじめに、植木うゑき講譯かうしやく、いくさ物語ものがたり田舍ゐなかぢいばあ如何いかにをかしきことひて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むにめたきいた引裾ひきすそながくゑんがはにでゝ、用心口ようじんぐちよりかほさしいだし、たまよ、たまよ、と二タこゑばかりんで、こひくるひてあくがるゝ主人しゆじんこゑ聞分きくわけぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)