“滴々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てきてき60.0%
たらたら16.0%
したたり8.0%
てき/\8.0%
たら/\4.0%
だらだら4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のどがかわいているとみえて、蛾次郎はそこで一息ひといきつくと、岩層がんそうのあいだから滴々てきてきと落ちている清水しみずへ顔をさかさまにして、口をあいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手の震えで滴々たらたら露散たまちるごとき酒のしずくくちなわの色ならずや、酌参るお珊の手を掛けてともしびの影ながら、青白きつやが映ったのである。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雨の滴々したたりしとしとと屋根を打って、森の暗さがひさしを通し、みどりが黒く染込しみこむ絵の、鬼女きじょが投げたるかずきにかけ、わずかに烏帽子えぼしかしらはらって、太刀たちに手をかけ、腹巻したるたいななめに
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おほよそ此等の毒は滴々てき/\我心上に落ち來りて、われは我心のこれが爲めに硬結すべきか、さらずば又これが爲めにその血をしたゝらし盡すべきをおもひたりき。
一寸ちよつとでもさわると、のまゝ、いきなり、しろかたつゝむで、ほゝから衣絵きぬゑさんのひさうである、とおもつたばかりでも、あゝ、滴々たら/\れる。……結綿ゆひわた鹿のやうに、喀血かくけつする咽喉のんどのやうに。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何か言いそうにした口の、ただまたニヤニヤとなって、おおきよだれ滴々だらだらと垂るる中へ、素直まっすぐにずきんと刺した。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)