滴々てき/\)” の例文
おほよそ此等の毒は滴々てき/\我心上に落ち來りて、われは我心のこれが爲めに硬結すべきか、さらずば又これが爲めにその血をしたゝらし盡すべきをおもひたりき。
「私に一人の伯母があるのです、世をいとうて秩父の山奥に孤独ひとりして居ります、今年既に七十を越して、钁鑠くわくしやくとしては居りますが、一朝私の奇禍きくわを伝へ聞ませうならば——」語断えて涙滴々てき/\
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)