“瀝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そそ42.9%
したた21.4%
したゝ7.1%
しずく7.1%
したたり7.1%
そゝ7.1%
つ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新しい朝廷を確立するための犠牲(いけにえ)として一門親族から涙を瀝(そそ)がれて島へ来ている人身御供(ひとみごくう)のわが身ぞという悲壮なこころもちなのだった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
件(くだん)の経文に〈この道人、頭破れ血瀝(したた)り、床座を沾汚(てんお)す、駆りて角(すみ)に入らしむ、急を得て糞を失す、次第七人、皆打棒せられ、地に宛転(えんてん)す〉とあるから転化したのだ。
おほよそ此等の毒は滴々(てき/\)我心上に落ち來りて、われは我心のこれが爲めに硬結すべきか、さらずば又これが爲めにその血を瀝(したゝ)らし盡すべきをおもひたりき。
彼はお雪の身体ばかりでなく、自分で自分の身体をも眺めて、それを彫刻のように楽むことが出来るように成った——丁度、杯の酒を余った瀝(しずく)まで静かに飲尽せるような心地(こころもち)で。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分は肚(はら)の中でこの水仙の乏(とぼ)しく咲いた模様と、この女のひすばった頬の中を流れている、色の褪(さ)めた血の瀝(したたり)とを比較して、遠い仏蘭西で見るべき暖かな夢を想像した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二十五の秋から今日まで、純情を瀝(そゝ)いで来た足掛四年の月日を何う取り返しやうもなかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
矢代は久慈にウィスキーを瀝(つ)ぎながらまだ自分の変化を胸底深く包み隠そうとするのだった。
旅愁 (新字新仮名) / 横光利一(著)