したた)” の例文
くだんの経文に〈この道人、頭破れ血したたり、床座を沾汚てんおす、駆りてすみに入らしむ、急を得て糞を失す、次第七人、皆打棒せられ、地に宛転えんてんす〉とあるから転化したのだ。
まして伊達政宗が連年血を流し汗をしたたらして切取った上に拠ったところの地で、いやいやながら差出したところであり、人情としてよだれを垂らしあごれて居るところである
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
萩の花の落ちこぼれた水のしたたりは、静かな夕暮の中に、幾度いくたび愛子あいこの小さい咽喉のどうるおした。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)