“朶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.0%
たぶ13.3%
6.7%
あーち3.3%
えだ3.3%
たぼ3.3%
はなびら3.3%
はら3.3%
3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまり結構でない煙草の煙が、風のない庭にスーツと棚引くと、形ばかりの糸瓜の棚に、一の雲がゆら/\とかゝる風情でした。
「額広く鼻は高く、きれの長い末上りのきつい目、たぶの無いような耳、おとがい細く一体に面長で、上髭うわひげ薄く、下鬚したひげまばらに、身のたけはすらりと高い方で。」
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まして伊達政宗が連年血を流し汗をしたたらして切取った上に拠ったところの地で、いやいやながら差出したところであり、人情としてよだれを垂らしあごれて居るところである
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
神官の家であるから、彼らは特に弓の稽古をしていて、社の構内にあーちが設けてあった。私もここで射てみたが、弓もやはり拙かった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
『三州志』などを見ると、加州藩では他の諸国で出村でむら分郷わけごう枝村えだむらといい、越前でえだなどといっていた小部落を垣内と公称し、何郷何箇村及び垣内幾箇処などと録している。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
スッカリ若返りにしておりましたので一寸見ちょっとみはフイちゃんよりも可愛いくれえで、フイちゃんとお揃いの前髪を垂らして両方の耳ッたぼに大きな真珠をブラ下げたやつが、翡翠ひすい色の緞子どんすの服の間から
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかれどもはなひらいて絢爛けんらんたり。昌黎しやうれいうるところ牡丹ぼたんもとむらさきいま白紅はくこうにしてふちおの/\みどりに、月界げつかい採虹さいこう玲瓏れいろうとしてかをる。はなびらごとに一聯いちれんあり。なるかないろ分明ぶんみやうにしてむらさきなり。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ガラッ八の八五郎が、薫風くんぷうふところをはらませながら、糸目の切れた奴凧やっこだこのように飛込んで来たのです。
さきものこらず、雲かとまがう万の桜、下には若草のみどりのしとね、上には紅の花の雲、花の香にようてかすむ月かげは欄干近くその姿をなげる。
錦木 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)