“たぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
76.2%
美女7.9%
4.8%
美婦3.2%
1.6%
婦人1.6%
手網1.6%
1.6%
美人1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折々ぐっと俯向うつむく時に、びっしょり水に濡れたような美しいたぼの毛と、その毛を押えている笠の緒の間から、耳朶の肉の裏側が見える。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
長「酌は美女たぼ食物くいものは器で、い器でないと肴が旨く喰えんが、酌はお前のような美しい顔を見ながら飲むと酒が旨いなア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あがぐち電信でんしんはしらたてに、かたくねつて、洋傘かうもりはしらすがつて、うなじをしなやかに、やはらかなたぼおとして、……おび模樣もやうさつく……羽織はおりこしたわめながら、せはしさうに、ぢつのぞいたが
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「さあね、大して善人じゃあねえ。だがこいつもご時世のためだ。こんな事でもしなかったら、酒も飲めず、ととも食えず、美婦たぼ自由ままにゃあ出来ねえってものよ。恨むなら田沼様を恨むがいい」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「よう。」とつて、茫然ばうぜんとしてつた。が、ちよこ/\と衣紋繕えもんづくろひをして、くるまけはじめる。とたぼ心着こゝろづいたか一寸々々ちよい/\此方こなた振返ふりかへる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
言畢いひをはつて、かたけ、ゆきなすむねだらけの無手むずき、よこつかんで、ニタ/\とわらふ。……とたぼ可厭いとはず、うなじせななびいてえる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このあたりとて、道者宿、木賃泊りが無いではない。要するに、容子ようす婦人たぼが居て、ゆうべをほの白く道中を招く旅籠では、風体のかくの如き、君を客にはしないのである。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金五郎は尻まくりし、瓢箪池の中に入って、手網たぼで、金魚をすくっていた。大きな盥のなかに、鯉、鮒、亀、などが、池から移されている。池の水を換えるつもりらしい。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
スッカリ若返りにしておりましたので一寸見ちょっとみはフイちゃんよりも可愛いくれえで、フイちゃんとお揃いの前髪を垂らして両方の耳ッたぼに大きな真珠をブラ下げたやつが、翡翠ひすい色の緞子どんすの服の間から
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
当座の花だ、むずかしい事はない、安泊やすどまりへでも引摺込ひきずりこんで、裂くことは出来ないが、美人たぼ身体からだを半分ずつよ、丶丶丶の令息むすこと、丶丶の親類とで慰むのだ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)