美女たぼ)” の例文
「なにサ、おまえを口説くどこうというのじゃない。……いまチラと門口で見かけたんだが、この隣にゃあ、すごい美女たぼがいるじゃないか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長「酌は美女たぼ食物くいものは器で、い器でないと肴が旨く喰えんが、酌はお前のような美しい顔を見ながら飲むと酒が旨いなア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こうやって、たった一人、しょうことなしの独酌どくしゃくに、何のうめえ味がある——これが、美女たぼのお酌と来てごろうじろ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「ああいう美女たぼをこの山奥まで逢いに来させるなんて、旦那も、なかなか罪つくりでございますね」と、啓之助にとっては、すこぶる不愉快なお追従ついしょう笑いをした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おッ! 美女たぼが、犬に追われているらしいぜ——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「おい、すてきもねえ美女たぼが通るぜ。天降あまくだりでなくて、駕降りの天女だ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)